千里の道も一歩より、とか、ローマは一日にして成らず、なーんて昔の人は言っていた。 それでも未熟で凡庸な私はそれが実感としてよく解らなかった。 早く、早く!と思った。 早く結果を出したい、早く手に入れたい、早く完成させたいと。 よくある若気の至り、そんな凡人のすごろくを歩んでいた。 ところですごろくって通じる人はどこまでの世代なのかしら? だんだん私の言葉は奥ゆかしい部類かと思うことが増えた。 今思えばどうしてそんなに急いでいたのだろうか、と思う。 急いで手に入ったものはすぐ失うし、急ぐほど良い結果など遠くなる、急いで完成させたものは壊れやすい。 エネルギーを持て余していたのだろうと思う。 もっ…