ゆで卵の殻をとる手の動きを思い出してみてください。利き手で卵を器にコツコツと当ててヒビを作ってむいていくのですが、右手が殻をめくっている間、左手は卵が手から落ちないように支えています。このように身体の複数の部位が協力し合って動くことを「協調運動」と言います。前頭葉にある補足運動野という部分の働きが関係しています。 補足運動野は、身体に運動を指示する一次運動野という部位の隣にあり、運動の順番を組み立てる役割も担当しています。例えば、「コップを取って水を飲む」という一連の動作。私たちは無意識にやっていますが、脳の中では「腕を伸ばす→手を開く→コップを掴む→口に運ぶ」というように、補足運動野がプログ…