「白は光と熱を反射するでしょう」と当たり前のように言っていて、私にはそれがなんだか、とてもかっこよく見えていた。私から見た彼女はとても成熟していて、年上のようだった。 まず、彼女の苗字が「あ」から始まるのが好きだった。いつも出席番号1番で、名前を一番最初に呼ばれてしゃんと立つ姿勢の良さは、真っ直ぐな性格そのままだった。それから、「春」の一文字から始まる彼女のファーストネームを、私は勝手に気に入っていた。 他にどこが好きだったのかと言われれば、まず難しい言葉を沢山知っていたこと。なんて小学生らしい理由なんだろうと思うが、小学生の私にとっては、彼女が発する言葉の、その一つ一つが、それこそ宝石みたい…