今週、東京国立博物館の本館では2室(国宝室)と10室(浮世絵)で展示替えがありました。国宝室の作品は鳥取・豊乗寺(ぶじょうじ)の『普賢菩薩像』です。年月とともに黒く変色する銀箔や銀泥をたくさん使っているせいか、暗い画面となっています。しかし、じっと見ていると菩薩の顔や、截金(きりかね)を使って描かれた細部の文様も見えてきます。5分間ほど見つめていると、暗いお堂の中から菩薩が現れてくるような感覚を味わえます。4月に展示されていた華麗な『普賢菩薩像』と異なり、重厚な作品です。寄託品のため残念ながら写真撮影が禁じられていました。 その代わりに、3室の『般若菩薩像』(重要文化財)をご紹介します。 般若…