ラ・ボエーム (光文社古典新訳文庫) 作者:ミュルジェール,アンリ 光文社 Amazon ボエームは、ボヘミアンと同義語で、自由気ままに生きる芸術家を指す語、とのこと。これは、意気投合した若きボエーム四人衆(哲学者コリーヌ、画家マルセル、音楽家ショナール、詩人ロドルフ)の日々を描写した連作短編集なのだ。ほとんどいつでも文無しで、たまにまとまったお金が入れば、たまった借金の清算に当てようなどとは露ほども思わず、仲間が集まって、お金が続く限りのどんちゃん騒ぎ、贅沢三昧。懐が寂しくなったって(ほとんどいつもそんなふう)気にしない、陽気でいられればそれでいい。仲間がいるし、夢がある。彼ら、夏のキリギリ…