以前、「和顔愛語」についてその出典を聞かれ、機械的に仏典から『華厳経』を答えておいたことがあったが、こういうところの判断はとても難しい。例えば、道元禅師はこう仰っている。 ただまさに、やはらかなる容顔をもて、一切にむかふべし。 『正法眼蔵』「菩提薩埵四摂法」巻 これは、「和顔」のことであるとされる。確かに『華厳経』では、和顔愛語を用いれば、自他共に害することが無いとしているので、人と人の関係の中で、円滑なる関係を保つのに必要な実践だと分かる。まだ、同巻では「愛語」についても説かれているので、「和顔愛語」については道元禅師が出典のようにいう人もいるが、実際には仏典に見られる言葉である。一例を見て…