四つの森の湖 また夏が来る。子供の頃の夏休みを思い出すと懐かしい。今思えば、長閑な時代だった。私が育ったのは、人々が平和こそ一番大事だとつくづく思っていた時代である。 昭和は戦争を挟んで二つに分かれる。「もう戦後ではない」と言われた時代でも、社会の中心にいる人たちは、戦争の辛酸を身をもって体験した人たちだった。だから、二度と戦争は嫌だ、絶対にするまい、というのは、誰もが思っていたことだった。日本国憲法は、戦争で命を奪われた人たちへの鎮魂歌だと、誰かが語っていた。基本的人権と言論の自由の保障、非戦の誓いが込められている。そんな憲法を「みっともない憲法」と言った政治家がいたが、みっともないのはどち…