歌舞伎役者の名跡。屋号は大和屋。定紋は花勝見、替紋は熨斗菱。
歌舞伎俳優。女形。演出家。芸術家。 1950年4月25日生まれ。 小児麻痺の後遺症をリハビリで克服したこと、その影響で左利きとなったこと、女形としては破格の長身であること、芸風や活動方針を巡って六代目歌右衛門との間に永年の確執があったなど、数々の苦難を克服しつつ精進を続けて今日の地位を築きあげた、歌舞伎界でも希有の存在。
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2024年10月15日、錦秋十月大歌舞伎 夜の部『婦系図』『源氏物語 六条御息所の巻』を観劇。片や新派でおなじみ泉鏡花、片や宮中絵巻、まるで違う世界観とキャラクター像を自在に演じ分ける玉様を然と味わった!どっちも恋愛至上主義な物語の裏側で女に個人としての己の評価軸がない不安定さ哀れさがあり、恋愛ってとても政治だと感じる共通点があった。
たまたま「市川猿之助事件」とタイミングが重なっただけのか、あるいは何か意図するものがあってのことなのか。 それが歌舞伎界の重鎮、坂東玉三郎の口から飛び出した、大劇場からの引退を示唆する発言だった。 2023年6月6日に行われた記者会見での一幕である。 玉三郎が臨んだ会見は、9月に東京・南青山の音楽ホール「BAROOM」で開催する、セルフプロデュースによる「PREMIUM SHOW」の制作発表。 この会場の着席収容人数はわずか100人とあり、玉三郎を身近で感じることができる、まさにプレミアムな公演。 それだけに、玉三郎本人も、 「ただお話しするのではなく、歌舞伎の衣裳とかつらを身に着け、化粧をし…
久しぶりの歌舞伎鑑賞に出かけた。昼と夜の二部に戻ってからは初めて。 今回は、というか今回も人間国宝のレジェンドコンビ、仁左衛門・玉三郎がメインの演目がふたつ。二階の一番前の席で花道の真上だったので、ふたりの出と引っ込みがよく見えた。歌舞伎界きっての美男美女?カップルに、厚い化粧があるとはいえ、まあ、歳を重ねても、ビジュアルの素晴らしさは衰えないものだと改めて感心してしまった。 最後の演目は、四季を表した四場面の舞踊で、こちらには、寺島しのぶさんのご子息、尾上眞秀くん始め、若手が多く登場した。ラブリンこと愛之助らがお雛様に扮した、とにかくきらびやかな衣装に目を奪われた春と、木の葉の役の眞秀くんら…
映画ももう滅多に見なくて、見ても古い映画かデザイナーのドキュメンタリーばっかりなんだけど、今年唯一映画館に観に行った作品が、表題の『書かれた顔』 kakaretakao.com これもドキュメンタリーというかインタビュー映画で、坂東玉三郎や杉村春子等の女を演じるプロに『女を演じるとは』と、いうテーマでインタビューするというもの 来場者プレゼントで仏版ポスターをくれるっていうから、公開始まってからだいぶ経っていたけれど行ったらもらえた笑 30年近く前の作品だけど、古さがない 玉三郎丈の私服姿は、あの時代のファッションだなぁって少し思ったけれど、お話していたことは一貫していて、今でもインタビューや…
2023年12月4日、歌舞伎座にて十二月大歌舞伎第三部の猩々と天守物語を観劇! 以前NHKで平成中村座の特集番組をやっていて、その時に玉様が演出をされて七之助さんが富姫を初役で演じるという天守物語を見た。その時からずっと天守物語を生で見てみたかった。 第三部は『猩々』も『天守物語』もどちらも人あらざる存在と人間との交流を描いた幻想的な作品で、続けて見ていて楽しくどっぷりとその世界観に浸れて最高だった。猩々の気品と愛嬌、富姫や亀姫のゾッとする魔性と無邪気さと生死観、序盤の人間中心主義への冷淡な眼差しが良かった!
情熱大陸 2012年12月9日放送 TBS-坂東玉三郎の美の哲学について学ぶことができる番組だったようです。坂東玉三郎は女性を演じることについて、自分の肉体を使って絵や音楽を表現するように、女性のニュアンスを観客に伝えることだと話していたようです。また、坂東玉三郎は舞台や稽古の合間を縫ってたびたび新潟県・佐渡を訪れており、鼓童というチームの芸術監督を務めています。特に踊りの指導に力を入れているようで、見せるための準備が大切であり、それが芸の向上につながると話していました。佐渡での時間が新たな創造に繋がるとも語っており、息抜きや刺激を求めて訪れる場所のようです。坂東玉三郎の美学と鼓童との交流が、…
生誕150年 グレーテルのかまど 泉鏡花とくるみのあめ煮 泉鏡花の若かりし頃 尾崎紅葉への弟子入り 実家の焼失、そして父の… 百間堀 百間堀の変貌 救いの手 目細てる 目細針店 目細家の支援と くるみのあめ煮 ターニングポイント 金沢への思い「寸情風土記」 生誕150年 1873年(明治6年)11月4日生まれ。 泉鏡花は、今年(2023年)11月に生誕150年を迎えます。 月刊「太陽」 グレーテルのかまど 泉鏡花とくるみのあめ煮 今年(2023年)の1月16日にNHK Eテレで放送された「グレーテルのかまど」。 番組のシーン 地元金沢出身の泉鏡花と、好物のくるみのあめ煮を題材にした番組でしたの…
アレサンドロです。 Amazon より 泉鏡花原作の「外科室」を主演 吉永小百合で映画化されました。 脚本・監督は、五代目坂東玉三郎。 物語は、明治時代のとある外科室。 優れた意志の高峰は貴船伯爵夫人の手術を担当する。衆人が見守る中、夫人はなぜか手術のための麻酔を頑なに拒む。 https://movie.hix05.com/ より 麻酔のせいでうわごとを言い、自らの秘密が明るみに出るのを避けたいというのだ。 麻酔なしで手術せよという夫人の言葉を聞き入れ、高峰は執刀する。目を背ける人もあったが、画家であり高峰の親友でもある「予」だけはその一部始終を見ているのだった。 原作を書いた泉鏡花は、 その…
(今回もシェイクスピアではないです〜。) PARCO劇場、森新太郎演出、森山開次振付、勝地涼・入野自由・瀧内公美・那須凜出演、2023年上演、CS衛星劇場放送。篠田正浩監督、坂東玉三郎、加藤剛、山崎努出演、1979年。SPAC、宮城聰演出、奥野晃士、たきいみき、永井健二、布施安寿香出演、2021年上演、2022年BSプレミアム放送。 PARCO劇場の森演出版がとてもよかったので、1人『夜叉ヶ池』祭りしちゃいました。録画したままになっていたSPACの宮城聰演出版を観て、篠田監督の映画も再見。当たり前なのでしょうが、それぞれ方向性と強調点が異なっていて、鑑賞後の感覚も違うものですね。 PARCO劇…
ふる雪や玉三郎の髪の艶 11月20日日曜日、滋賀県大津市の滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール大ホールで行われた「坂東玉三郎 お話と素踊り」に行ってきた なぜかわからないけど、ず〜っと琵琶湖が見たいなあと思っていた その時、琵琶湖のほとりの劇場で玉三郎さん(ちょっとだけファン)の公演があるのを広告で知り、よし、琵琶湖に行こう!と計画 はじめに玉三郎さんが舞台で椅子に座ってお一人でトーク スーツ姿の玉三郎さんはスラっとした長身でやっぱり美しかった 生い立ちからプライベートなことまで、ざっくばらんにお話になった お話もお上手で、何度も笑いがおきた 最後は事前に募った質問に答えるQ&Aコーナー 踊りに品を出…
真言宗智山派 六波羅蜜寺 目次 名称・寺格 創建 本尊 みどころ アクセス 探訪レポート 名称・寺格 補陀洛山 普門院 六波羅蜜寺と称する真言宗智山派の寺院です。寺格は特にありません。 創建 天暦5年(951年)に、空也上人が造立した十一面観音を安置する道場(西光寺)が、六波羅蜜寺の創建とされています。 本尊 十一面観音像 みどころ 仏像ファンに大人気の、口から仏様を吐く空也上人像がある寺院です。 アクセス 京都市東山区松原通大和大路東入2轆轤町81-1 京阪本線「清水五条」徒歩10分 探訪レポート 六波羅蜜寺に入って最初にあるのは、福寿弁財天堂です。七福神巡りは全国にたくさんありますが、六波…
町おこし 3 一番私にとって理想の公演場所は、町に古くからあった芝居小屋を改修して、使用可能になっているものを「藤山さんの方で使いませんか?」。と言う依頼を受けると言うスタイルです。それは願ってもないことです。既に建物の改修費は支払い済なのですから、そのまま使用できます。但しなかなかそう都合の良い話はありません。 実際過去に、そうした芝居小屋と接触を試みた経験があります。ひとつは香川県の琴平町にある金丸座でした。ここの劇場は、今では松竹歌舞伎を定期的に開催していて、実際の歌舞伎役者がこの芝居小屋で半月公演をしていて、近隣の温泉ホテルなどから東京、大阪のお客様が泊まり込みで観劇に来ています。費用…
夏の記憶が薄れはじめた11月、十一面観音像を巡る旅に出かけた。(国宝の七体の十一面観音像を巡るという魅力的な企画のツアーだった。一人旅の緊張や日々のルーティンから解放され、訪ねた仏様を臆することなく見つめ、その表情、姿の印象を長く心に残したいと願った二日間だった。) 七体の仏様たちに出会い、そのつど圧倒され、心を奪われる。感動が次々と上書きされてしまいそうで不安に感じた。濃密な二日間を経て家の玄関にたどり着いた時、自分を浦島太郎のように感じた。今はまだ、目をつぶれば、仄暗いお堂や収蔵室で見つめた仏様たちのそばに行くことができる。それもやがて日常の波に洗われて、かすかな記憶の彼方に遠のいてしまう…
おそらく、筆者世代(70年代、80年代カルチャーを知る女)で知らない人はいないであろう“名作?”。 たぶん、若い世代でもそれなりの認知度はあるだろうし、男性でも知っている人は多い。 そう、”未完”の大作『ガラスの仮面』です。 美内すずえ 『ガラスの仮面』 白泉社 現在49巻(刊行中) ガラスの仮面 49 作者:美内 すずえ プロダクションベルスタジオ Amazon ガラスの仮面 1 作者:美内 すずえ プロダクションベルスタジオ Amazon 筆者がガラスの仮面を最初に読んだのは小学生の時。当時から大事に、新刊が出る度に買い続けました。その間、何年も休載が続こうともね! 第1巻の発売が1976…
秋の夜の「婦系図」や玉三郎(あきのよの「おんなけいず」やたまさぶろう〔季語:秋の夜(秋)〕 10月20日(日)歌舞伎座「錦秋十月大歌舞伎」夜の部を、妻の節子と娘の喜多貴子の3人で、観に行った。一の婦系図では、早瀬主税の片岡仁左衛門、お蔦の坂東玉三郎の演技、美しさに感動!源氏物語の坂東玉三郎の美しさ、演技に感動!秋の夜の歌舞伎を楽しんで・・・
坂東彌十郎は、歌舞伎界で知られる実力派の役者です。彼の妻・容子さんとの出会いから結婚、そして家族の支えによって築かれた華やかな家系について書きます。
Book Review 15-20 時代小説 #母子月 『#母子月』(麻宮好著)を読んでみた。著者は2022年、『恩送り 泥濘の十手』で第1回警察小説新人賞を受賞。 話は、「母子月」公演中に歌舞伎の女形(初代瀬川路京)が毒殺された場面から始まる。犯人は誰なのか。捕物帳のように十手持ちは出てこない。しかし、ミステリー(犯人探し)ではある。もう一つの魅力は、歌舞伎に魅せられた男(二代目瀬川路京)の芸の思いに迫る物語でもある。 時が流れて、子役であった男児は女形の歌舞伎役者・二代目瀬川路京を襲名している。芸に命を捧げるが結果が付いてこない。 そこで、路京は座元と帳元の強い勧めもあり、現状打破のため、…
髙地優吾は毎日ブログを更新するアイドルである。 SixTONESがデビューした年、結成日にメンバー全員の個人ブログが開設された。髙地さんのブログには当初から「毎日更新を目指します!」と銘打たれており、今現在まで更新が途切れた日はない(あくまでも「目指す」なのでもしかしたら将来的には途切れる日もあるのかもしれないが、とりあえず今現在までは途切れていない)。 ただし毎日更新しているとはいえ、彼自身の生活や動向はいまいち見えてこない。最初からかどうかはわからないが、基本的にブログは「こちゆご」というキャラクターを纏った状態で書いているらしい。ブログ内では基本的に自分のことをこちゆごと呼ぶこと、たまに…
石川県の記録的大雨で、地震被害から立ち直っていない地域に深刻な被害が出ています。 心からお見舞い申し上げます。 東京も急に涼しくなり、いきなり秋になりました。 暑さ寒さも彼岸まで…とは言いますが、またも突然に季節が進んだ印象です。 ギックリ腰注意!です。 そんな昨日は歌舞伎座夜の部。 九月といえば秀山祭。 二世中村吉右衛門が初代吉右衛門の功績を顕彰し、その芸を後世に伝えるために始めた秀山祭が3年ぶりに開かれたことが何よりうれしく感じました。 坂東玉三郎丈の『妹背山婦女庭訓・吉野川』がとにかく観たかった… 8年前の平成28年秀山祭の玉三郎丈、吉右衛門丈の『吉野川』が初見で、もちろん昨年の国立劇場…
山鹿灯篭のくまモンと記念撮影 熊本県山鹿に行ってきました。山鹿は重要文化財「八千代座」と山鹿灯篭が知られています。「八千代座」は明治に建設された芝居小屋で現在も歌舞伎役者の方々の公演が開催されています。小さい芝居小屋なので役者と観客の距離が非常に近いです。かぶりつきで見たいです。山鹿灯篭と言えば8月に行われる「山鹿灯篭祭り」を思い浮かべます。千人の女性が頭に「金灯篭」をかかげて踊られるそうです。重くないのかな。 八千代座の見学 山鹿灯篭 おまけ 八千代座の見学 「八千代座」は昭和に入り映画やテレビの影響で客足が減り荒れ果てていた状況を地元の方が中心になり復興されました。その陰には、歌舞伎役者で…
孫妻と九月歌舞伎座時忘れ(まごつまとくがつかぶきざときわすれ)〔季語:九月(秋)〕 9月15日(日)銀座歌舞伎座で、秀山祭九月大歌舞伎、夜の部、坂東玉三郎、尾上松緑の〝妹背山婦女庭訓〟松本幸四郎の〝勧進帳〟を、孫、妻と観劇。名演技に、時の経つのを忘れて・・・楽しいので、10月の歌舞伎座も、チケットを購入済み。(歌舞伎座の隣りの喫茶店で、暑いので、今年最後?のかき氷)
テレビCMの影響や仏像巡りブームの影響もあり、六波羅蜜寺といえば、すぐに空也上人立像が思い付く方も多いであろう昨今。 しかしながら、もちろん、この六波羅蜜寺において有名なのは空也上人立像だけではありません。 六波羅蜜寺のあるこの六波羅という地は、かつて鎌倉幕府を開いた源頼朝が六波羅探題を置いた場所です。 平家と源氏の興亡の地、六波羅 六波羅探題は平家を滅ぼした源氏が、西国の御家人の監視と朝廷の監視をするために置いた機関です。 そのため、六波羅探題と言えば源氏を思い浮かべる方が多いかもしれません。 とはいえ六波羅探題は、元々平清盛の邸宅があった場所を拠点にしたため、源氏が平家を攻めるまで、この辺…
髙地くんの絡むペアってどれも尊くてすごい!!!!!!!!!!!!!! わたしが髙地担を自覚したきっかけは「髙地くんといる時のスト5がみんなのびのびリラックスしててすっごくかわいいことに気がついたから」です※沼落ちブログ参照。 好きになってから1年くらい経過しましたが、少し解像度が上がり、「髙地くんといる時のスト5ってそれぞれの長所が良く出ているんだな」と思うようになりました。 きょもゆごの飾らなさと肝の据わりっぷり、ゆごほくの清らかで柔らかな守りたさ、ゆごじぇの愛の大きさと優しい不器用さ、ゆごじゅりのやんちゃネコチャンぶり、ゆごしんの健やかな信頼感、全部全部大好きです。そこで今日は髙地くんが他…
夜、早稲田松竹のレイトショーでダニエル・シュミット『書かれた顔』(1995)。 10年以上前にオーディトリウムで見た以来。 早稲田松竹も久しぶりでうれしい。 終演直後の舞台袖、白塗りの坂東玉三郎が画面の奥からこちらへ向かってくるのを フィックスのカメラが縦の構図で待ち構える。 やがて彼がカメラを通り過ぎる瞬間、彼の移動によって自然に、 完璧な顔のクローズアップが形作られる。 たとえば昨日見た『Chime』でも、待ち構えるカメラに対して、 松岡が前進し、カメラとの最適な距離とタイミングで立ち止まることで、 彼の横顔のクローズアップが完成するショットがあったが、 これは役者と「どこまで歩きどこで立…