www.youtube.com 泣く涙雨と降らなむ渡り川水まさりなば帰りくるがに 小野篁 雨と恋愛は古より縁深い組み合わせである。引用した和歌は古今集に収録されたもので、作者は平安時代に文人、公卿として活躍した小野篁である。この歌は篁が若くして亡くなった自身の妹を想って詠んだとされており、「渡り川」とは現世とあの世をつなぐ三途の川を意味している。通説によると篁とその妹は血縁でありながら恋仲であったとされる。そこを踏まえると、この歌には身内の死を嘆く哀傷と、恋人を失った者に訪れた失恋の情を読み取ることができる。ちなみに古典文法はからっきしな癖に和歌は好きな筆者が歌を意訳してみると、「私の涙を雨に…