笑顔なくただ真剣にひたむきな若い女将の髪がほつれる 3月に詠んだ歌(前半) 春告げる八甲田山のふきのとう地面を飾る黄緑眩し 部下たちは東大京大一橋上司の我はほんの駅弁 どこまでも時間があると思ってた浪費ばかりの若かりし頃 冬と春どちらつかずの移ろいに地球の鼓動ただに感じる アルバムを開いてみれば兄を真似ピースサインに挑む次男よ 生きる場所を選べなかった草花の黙ったままの命輝く 卒業を迎えた子らの背を眺め生まれきた日をふと思い出す 葬儀終え主なき庭眺めむれば咲いたばかりの水仙哀れ 「春宵」より「春はあけぼの」と言い切った清少納言は早起きだった 細やかにリズムを刻み感性がほとばしり来る女流のピアノ…