手足はずっと拘束されたまま。牢から出されることもない。不自由があるとすれば、それくらい。レグルスにとっては、それほど不快な生活環境ではない。牢の奥には水が流れている場所があり、体を洗うことが出来る。排泄も水が流してくれるので、不潔ではない。食事も、初めて見る料理が多いが、きちんと与えられる。味については元々拘りのないレグルスだが、美味しいと思えるものばかりだ。 唯一、不満なのは思うように体を動かせないこと。死んでいく人間に鍛錬が必要かと自分自身に問いかけながらも、何もしないではいられないレグルス。何もしない生活を経験してこなかったのだ。死にたい気持ちは関係ない。 出来る範囲で体力づくりは続けて…