通行人を見守る大山寺周辺のお地蔵様に、感謝の心で手を合わせる。 昔、出雲の国の玉造温泉に、依道(よりみち)という猟師が住んでいました。彼は有るとき、島根半島の美保関を通りかかると、突然、海の底から金色の毛並みをしたオオカミが一匹現れました。依道は、「金色のオオカミなんざあ、めったやたらにいるもんじゃねえ」と言って、そのオオカミの後を必死になって追いかけました。すると、オオカミは、伯耆の国の大山の山奥にどんどんと逃げて行って、ついに、奥の深いほら穴に入って見えなくなってしまいました。 「ようし。オオカミのやつ、ここから出てくるところを一発のもとにしとめてくれよう」依道は、そういうと、自慢の強い弓…