アランの『幸福論』は、100年以上前に書かれたとは思えないほど、今の時代にも通じる力を持っている。「幸福とは、自分の心の持ちようで生まれるものだ」という彼の考え方は、今も変わらず有効だと感じる。 この本を読んで気づかされたのは、「不安」や「恐れ」の多くが、自分の中から生まれているということ。まだ起きていない未来を想像しては、それに怯えてしまう。アランは、そうした“想像が生み出す不安”が人を苦しめるのだという。 では、どうすれば心は穏やかになれるのか。「気分は放っておいてもよくならない」と言う。感情は天候のように自然に晴れるのを待つものではなく、自分で整えていくもの。気分に流されるのではなく、自…