ぼくの名前は二郎! あだ名はセ郎! なぜなら小学三年生なのにセロリが好きだからね。 しかし食べるものを自ら決定しえず、もっぱら出されたものを食べて身体を成長させていくほかない小三という年齢において、日常の料理にセロリが登場する確率はきわめて低い。給食でも「タイ風春雨炒め」という稀なレシピにしかセロリは入っておらず、それも風味を添える程度に輪切りがちょろっと、混入、と表現してしまってもいいくらいに縮こまって入っているに過ぎないため、それを箸でつまみ上げてひらひらさせながらセロリ好きをアピールしたところで誰の気にも留められようがない。さらに、セロリ好きであることが周囲にどうにか伝わったとしても、小…