今、町田康の著した山頭火の物語を読んでいる。 作者曰く、「山頭火の人生には数多の陰がさしたが、山頭火はそれをだれのせいにするでもなく、句業によって上向きにしようとする力があり、それゆえに自由律俳句の第一人者として令和の時代まで名を残した」という。あくまでも作者の持論・推測である。もっと言えば、わたしの要約が正しいのかわからぬ。 これは非常に断片的な話であるがしかし、わたしはこれに共感した。わたしもそう。わたしは、死にたいのに生きたいと思ったことがあった。それをなんとかして生きようとする力を身につけようともがいた。わたしは才能がないから、山頭火のように俳句によって消化することはできない。しかし、…