題知らず 明日知らぬ命をぞ 思ふおのづから あらば逢う世を 待つにつけても 殷富門院大輔 (新古今和歌集 巻第十二 恋歌二 1145) 新編日本古典文学全集「新古今和歌集」(訳者・峯村文人・小学館)の訳 題知らず 殷富門院大輔 明日がどうなるか分からない命を思うことだ。 自然のなりゆきで、生きているならば逢えるかもしれない、夜という時を待っているにつけても。 意訳 作者;殷富門院大輔 人生の残りが少なくなってまいりました。 命の衰えを感じ、明日にも尽きるかもしれない運命は、誰にも分かりません。 このように儚い命について、静かに思い巡らせています。 もし、いまなおこの世に生きながらえているのなら…