🪷氣比《けひ》の大神 ——敦賀市の氣比神宮の神の名の由來。—— かくてタケシウチの宿禰がその太子をおつれ申し上げて禊《みそぎ》をしようとして近江また若狹《わかさ》の國を經た時に、越前の敦賀《つるが》に假宮を造つてお住ませ申し上げました。 その時にその土地においでになるイザサワケの大神が夜の夢にあらわれて、 「わたしの名を御子の名と取りかえたいと思う」 と仰せられました。 そこで「それは恐れ多いことですから、仰せの通りおかえ致しましよう」と申しました。 またその神が仰せられるには 「明日の朝、濱においでになるがよい。名をかえた贈物を獻上致しましよう」 と仰せられました。 依つて翌朝濱においでにな…