1947年、東京に生まれる。ノンフィクションライター。デビュー作は自衛隊に勤めるひとびとを取材した「防人のブルース」。従来の講談的な文体を排したドライな文体が、おもに若い読者の支持を集める。とりわけユーラシア大陸を放浪した旅行記『深夜特急』は、いまでも多くのバックパッカーに影響を与え続けている。さまざまなジャンルの作品を手掛けているが、寄せ集め的なコラム集を除けば、スポーツ関係の著作が目立つ。さらに最近では、小説的な手法を取り入れようとしている。 amazon:沢木耕太郎
スポーツを題材にした本はたくさんあります そして、結構心に残る名作ぞろいです 今回は少しテイストを変えて、沢木耕太郎のルポ「敗れざる者たち」になります 沢木耕太郎といえば、いわずもがな深夜特急が有名ですが、こちらの本も派手さこそないもののボディーブローのように地味に効いてきます スポーツにおいて全勝し続けられる人はいません。必ずどんなスーパースターでも敗北する日がやってきます。しかしながら、この本のとりあげる敗れざる者は、最後まで自分が敗北することを素直に受け入れられない人たちです。 私たちはいつもスポーツの光の部分だけを見て熱狂に酔いしれますが、本来光の部分よりも影の部分の面積の方が圧倒的に…
はじめに 沢木耕太郎による、ノンフィクションについての技術論とも言えるエッセイです。タイトル通りに教科書として、沢木さんが読んだ本が紹介されています。 沢木さんのエッセイには、技術論が書かれているものがいくつかあるのですが、その中の一編になります。 目次 はじめに 目次 全体の感想 キーワード3選 自分の興味、思考の方向性、感じ方をしっかりと知ること 結論を導き出すことに重点を置かないこと 生き生きとした表現 印象に残った文章 おわりに 全体の感想 ストレートにノンフィクションを書く際の技術論が書かれてます。沢木さんの技術論を読めるということで、非常に貴重なのではないかと思います。 以下では、…
全文会話という、ノンフィクション記述スタイル。沢木さんの挑戦でもあったようです。 宇多田ヒカルの母、藤圭子へのインタビュー。1979年、ホテルニューオータニ24階のバーで行われます。絶頂期にある、歌手藤圭子が電撃引退発表をした。なぜ、引退を決めたのか?2人だけで、バーで会話しながら藤圭子の思いを探る。 流星ひとつ (新潮文庫) 作者:耕太郎, 沢木 新潮社 Amazon 私は藤圭子を全く知りません。宇多田ヒカルはほぼ同年代であり、学生時代はよく聴きました。うちの母親が「お母さんの藤圭子に声がそっくりだわ」と言っていたことを思い出します。うちの母親世代には藤圭子は時代の寵児だったのでしょう。 宇…
沢木耕太郎さんの1996年のオリンピック・レポート。1996年はアメリカ・アトランタで開催され近代オリンピックが始まってから100年目でした。 オリンピア1996 冠〈廃墟の光〉 (新潮文庫) 作者:沢木 耕太郎 新潮社 Amazon 100年目という事で、発祥の地のギリシア・アテネと開催地をかけ争いました。しかし、グローバル巨大資本を携えたスポンサーとテレビ局には勝てず、アトランタで開催となったようです。沢木さんはこの開催地決定の過程に、今後のオリンピックは滅びの道を歩むであろうと感じます。飲み物はコカ・コーラしか出てこず、頑なに飲みません。 本書は、ギリシア・オリンピアへの旅から始まります…
※父との思いでかな(笑) 新聞を読みながら食事をする父が嫌いだった。 話しかけてはいけない気がして。 黙って食事をすることが苦手だった。 母さんに「魚の骨をとって」って言いたくても 声に出すことはなかった。 父が読んでいた経済新聞。 父が亡くなった今、 私が新聞を片手に 食事をするようになった。 嫌なところが似たな(笑) 沢木幸太郎の深夜特急。 経済新聞に連載されていたが、新聞の深夜特急は読んだことがない。 分厚い単行本になったのを読んだ。 父ちゃんが言ってた 「お前が男だったら、シルクロードの旅に出したい」 「お前が男だったら、深夜特急と同じ事をやらせたい」 いつも「お前が男だったら」って言…
沢木耕太郎さんの作品から私の中で印象に残っている5冊を箇条書きで紹介したいと思います。どれも読みごたえのある本ですので、ぜひ読んでみてほしいです。 目次 目次 作品5選 一瞬の夏 深夜特急 人の砂漠 敗れざる者たち テロルの決算 おわりに 作品5選 一瞬の夏 ノンフィクションですが、長編小説のようです。 一気に読みたい作品です。 沢木さん自身が主人公のノンフィクション作品だと個人的にはとらえています。 文章のスタイルについては分析はできないのですが、沢木さんの感じた空気がストレートに伝わるように書かれているんだと思います。 登場人物の重厚な迫力に圧倒されました。 最後の最後まで、夢中になって読…
はじめに 「奇妙なワシ」というエッセイの後日譚になる一遍です。エッセイが連なるように書かれていることが時々あると思うのですが、続きを読む楽しさも独特なものです。 語り口が軽妙で、日記のような雰囲気です。 目次 はじめに 目次 全体の感想 キーワード3選 日記 言葉の選び方 軽妙 印象に残った文章 おわりに 全体の感想 まずは、インパクトのあるタイトルが忘れられないですね。読む前は、奇妙なワシとは何か、と気になりました。自分を指す時に、1人称の「ワシ」という言葉を使うかどうかということが書かれているんですが、確かにそうだな、と思える内容になっていると思います。 日記のような書かれ方で、一緒にお酒…
はじめに 1975年、元ボクサーの輪島功一さんが当時のWBAジュニアミドル級世界チャンピオン、柳済斗さんと戦ったタイトルマッチについて取材されたノンフィクション作品です。 目次 はじめに 目次 全体の感想 キーワード3選 減量 プロ したたかさ 印象に残った文章 おわりに 全体の感想 クライマックスがとにかくいいんです。試合に向かっていく輪島さんの姿とともに、本音が垣間見れるんですね。裏側にあった要素が沢木さんの目を通して、描写されます。解釈は人それぞれだと思いますが、決して陽気なものばかりではありません。最後の場面では、それまで描写されていたものを打ち消すようもの、勝ったという事実があったこ…
はじめに 沢木耕太郎さんが、柴田錬三郎さんについて書かれた一遍になります。 目次 はじめに 目次 全体の感想 キーワード3選 対談 降りて、降りない 時代小説 印象に残った文章 おわりに 全体の感想 文章の始まり方がとても自然で、流れるように主題に入っていくんですね。マクラにあたる部分も印象的です。すっとテーマに入っていって、すとんと着地する感じの一遍でした。 キーワード3選 対談 マクラはある対談での挿話になっています。このお話自体が魅力のあるものになっていると思いました。登場する人物、本、できごと、全てが想像の範疇の外にあるような話です。 降りて、降りない 本編の最も重要な言葉ではないかと…
はじめに 本作品は、沢木耕太郎さんによるトルーマン・カポーティについての論評ともいうべきものです。私は、トルーマン・カポーティという作家をこの文章で初めて知りました。うっすらと知っていた「ティファニーで朝食を」という小説の作者であることと、「冷血」という著名なノンフィクション作品の作者であること。この2点が一読後に最も記憶に残ったことでした。 2回、3回と読むうちに緻密な作家論が展開されていることに圧倒されました。一人の作家の作品の遍歴から、創作の裏側を読み解く文章は読むうちにどんどん引き込まれます。 目次 はじめに 目次 全体の感想 キーワード3選 文章のスタイル 「冷血」 名声 おわりに …
沢木耕太郎さんがスポーツの視方、そして、取材論について書いている作品です。特に若い方が読むと、スポーツの楽しみ方を知ることができて、プラスになるのではないでしょうか。 スポーツの楽しみ方を知りたければ、読むといい作品だと思います。思い込むことの重要性、いかに愉しむかを突き詰めていく方法論が書かれています。 スポーツという枠を敢えてとりはらい、汎用的な「たのしみかた」というものとして捉えなおすと、以下のようになるのではないかと思いました。 1.思い込む2.ものごと自体に近づく3.そこに何がかかっているかを理解する4.自然に愉しむことは不可能だと理解する5.最高の瞬間があることを知る6.過程の意味…
【カラー版】アヘン王国潜入記 (集英社文庫)作者:高野秀行集英社Amazonやらせ問題で放送終了になっていた「クレイジージャーニー」。経緯が経緯だけにこのままフェードアウトするかと思っていたら、多くの視聴者からの要望に押されて、限定で復活する事になったらしい。クレイジージャーニー [DVD]松本人志Amazon個人的には、とても好きなテレビ番組だったので、もう一度新しい番組を見る事が出来て、とても嬉しいです。やっぱり未知の、常人では計り知れない光景を見るというのは、とても好奇心を刺激するし、理屈抜きで楽しい。 とはいえ、沢木耕太郎さんが「深夜特急」を書いた時代と比べると、旅を取り巻く環境は大き…
小説や映画や演劇など、「物語」の用途の一つとして、「非日常を提供する」がある。結構非日常への欲求っていうのは切実で、無いと結構やばいかもしんない、とは思う。自分としては社会と関わるといろいろと減る。体力気力メンタル。 異世界で満たされぬ欲求を疑似的に果たそう、というのは、普段ミソッカスな自分を英雄物語読んで慰めたり。恋愛市場の遡上にも乗れぬ人生を這いずる者たちがラブコメで溜飲を下げたり。 自由でうらやましい。さわやかだ。こんな旅がしたい。やってみたい、やってみたい!この本を初めて読んだ当時の率直な感想です。少なくとも、今のサラリーマン稼業からはよっぽどマシに感じた。事実私は嫌気がさしていた会社…
今、相方と2人して所有しているスマートフォンが劣化している。私は使い始めて4年以上。相方は2年くらいか。 先日、電器店見るだけ見たら、iPhoneだとずいぶんと高い。今のiPhone SEは2万円台で手に入れたから余計にそう感じるのかもしれない。 いやはや金がかかる。 しかし、本当にやりたいことにはお金はどのくらいかかるのだろうか。 雪山を始めるのにはわりと金がかかる さる付き合いの長い友人には今子どもが3人いる。全員男ということで家の中は狂騒状態なわけだが、マイホームで仕事から帰ってソファでまったりすることが幸せなのだという。 典型的な小市民的意見で大変ほっこりするのだけど、やりたいことは特…
この本を読む前、新田次郎の孤高の人を読んでいた。 平日は仕事に追われ、休日は子供の習い事や家事で大体終わる日々なので、なかなか気ままな旅行というものが独身時代のようにはできなくなっている。 そんな日常から簡単にどこかにいった気分になれないかと思って買ったのが孤高の人だった。 文庫本なので軽いし持ち運びもでき、充電を気にする必要なく読め、目も疲れない。 文庫本って最強の暇つぶしツールじゃね? そう思った。 孤高の人は登山家加藤文太郎の生涯をやや小説寄りのストーリーに変えて描いた作品で、読んだ後は昭和初期の時代にタイムスリップした気分になった。 現代から過去への旅をしたようなものである。 でも、も…
父の詫び状 (文春文庫 む 1-1) 作者:向田 邦子 文藝春秋 Amazon 再読。 向田邦子はそれほどたくさん読んでいるわけでもないが、このエッセイ集だけは昔から好きでずっと取ってある。 久しぶりに読んでみた。 1編にいくつもの話が数珠つなぎに出てくる。そのどれもが面白いエピソードで、よくもまあこれだけ面白い話があるもんだと感心する。 記憶力がとてつもなくいいから、昔の話が手にとるようにリアルに出てくる。 話があっちこっち行っているようで、最後には1つのテーマに沿った話だったことがわかると、うますぎて唸ってしまう。 これが初エッセイ集だというのだから恐ろしい。 解説に沢木耕太郎が書いている…
●概要 ●ミュージシャン等17名 ●漫画家59名 ●ゲームクリエイター14名 ●小説家 等67名 ●哲学者1名 ●ファッションデザイナー3名 ●写真家2名 ●映画サイト運営者 ●概要 現在157名分のリストを掲載。 このコーナーは「映画人のオールタイムベスト(個別)」に掲載した以外の漫画家、アニメーター、ゲーム開発、シンガー、作曲家、小説家、その他クリエイターが影響を受けた映画のリストをまとめた掲載先のリンク集です。 ・●●●●●・ ・●●●●・ ・●●●●・ ・●●●●・ ※数字をいじるとリンクが機能しなくなるので注意 ●シンガー、ミュージシャン等9名 ・マイケル・ジャクソン・ ・マドン…
『垂直の記憶』 山野井泰史・著 『ソロ―単独登攀者・山野井泰史』 丸山直樹・著 『凍(とう)』 沢木耕太郎・著 訳あって山岳関連の書籍に目を通している。 大した訳でもないので,趣味で,と言った方が適切かもしれない。 世界の最高峰,登山の歴史を紐解いても指折りのアルパイン・クライマーと呼んで何人も意義を申し立てる者はいないであろう,山野井泰史・妙子夫妻について書かれた書籍を三作読んだ。山野井泰史さんは近年,登山界のアカデミー賞とも言われるピオレドール賞の生涯功労賞をアジア人で初めて受賞しているので,ご存じの方も多いかもしれない。山岳を生業にして知らぬ人はモグリと言われかねないほどの偉人である。同…
【2022】 ルビンの壺が割れた/宿野かほる 落下する夕方/江國香織 うちの子が結婚しないので/垣谷美雨 世界最高の話し方/岡本純子 深夜特急2 マレー半島・シンガポール/沢木耕太郎 羽生善治のみるみる強くなる将棋入門 序盤の指し方 乳と卵/川上未映子 深夜特急1 香港・マカオ/沢木耕太郎 【2021】 銃/中村文則 そういうふうにできている/さくらももこ コンビニ人間/村田沙耶香 ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂/マーギー・プロイス カラスの親指 by rule of CROW's thumb/道尾秀介 「がんになって良かった」と言いたい/山口雄也、木内岳志 がんになった緩和ケア医が語る「…
今日は父の日ですね。 実家の父親にはラルフローレンのポロシャツを贈りました。 (ポロ ラルフローレン) POLO Ralph Lauren メンズ マルチボーダー 半袖 鹿の子 ポロシャツ 0105594-M-GREYHTR [並行輸入品] POLO RALPH LAUREN(ポロラルフローレン) Amazon 母親からメールがあって、少しサイズが大きいけど大丈夫とのこと。 Lサイズだった父親の身体が少し小さくなったみたいと母親は言ってましたが、健康でも高齢なので身体も縮むのでしょう。 なんだか悲しい話ですけど、今更成長されても困りますしねww 父親とは自分が高校生になった頃からあまり喋らなく…
▼灘中学 ▽2022年度1日目 大問1「動物はなぜ動物になったか」日高敏隆 日高敏隆選集(5) posted with ヨメレバ 日高敏隆 武田ランダムハウスジャパン 2008年03月 楽天ブックスで調べる Amazonで調べる ▽2022年度2日目 大問1「生物はなぜ死ぬのか」 小林武彦 生物はなぜ死ぬのか posted with ヨメレバ 小林 武彦 講談社 2021年04月14日頃 楽天ブックスで調べる 楽天koboで調べる Amazonで調べる Kindleで調べる 大問2「臆病な詩人、街へ出る。」文月悠光 臆病な詩人、街へ出る。 posted with ヨメレバ 文月 悠光 新潮社 …
沢木耕太郎著「飛び立つ季節~旅のつばくろ」(新潮社)国内旅エッセイ集。6月30日発売。 ↓ https://www.shinchosha.co.jp/tsubakuro/index.html#topics2 楽しみ。西の旅も読みたいなあ。
prime reading にて読了。 似たような本を何冊か読んだことがある。 それらの本は、みんなこの本に憧れて旅行記を書いたものだった。 なので、前からこの深夜特急と言う本が気になっていた。 図書館で探しても無かったので、諦めていたのだが、やっと元祖の本が読めた。 読んだ感想は、以前読んだ他の人の旅行記と書き方が似た感じだな~っと思った。 憧れて真似て書いているので当たり前といえが当たり前なのだが。 計画を立てず、行き当たりばったりの旅なので読んでいて面白い。 私の中では外国は治安が悪く、悪さをする人がいっぱいいるイメージなのだが、この本ではそんな悪い人はあまり出てこない。 作者も結構身構…
こんな人におすすめ こんにちは、ハラショーです。この本は、日本人女性初のオリンピック金メダリストである、水泳平泳ぎの前畑秀子さんの伝記です。『オリンピア1936 ナチスの森で』(沢木耕太郎 著・新潮社)という本で、前畑さんのエピソードが書かれており、オリンピックに向けた壮絶な努力に衝撃を受けたことが、この本を読んだきっかけです。何かを目指して真剣に取り組みたい。そんな思いがある人が読めば、きっと良い刺激になるでしょう。何事かを成すには、一にも二にも強烈な努力が必要。そのことを痛感しました。 簡単なあらすじ ※以下、一部ネタバレ含みます 前畑秀子さんは和歌山県に生まれ、小学生の時から水泳を始めま…
中古でまとめて買った沢木耕太郎の本のひとつ。読み終えた。