十年位前に ひどく鬱を患った若い男性がいた 当時解決方法を探して5年目を迎えていた その家族から 時々悩みをうちあけられても 日中散歩やドライブへ連れて行くことくらいしか 返事のしようがなかった 大きく状態が変わることなく また一年が過ぎようとしていた その頃 若い男性は数日間全く寝具から起き上がらなくなったそうだ 家族から心底困っていると話を聞いたところ 彼の家族や親族も 病院で指導されたように 規則正しい生活へ誘う声掛けや 心配を隠しきれず腫物にさわるように 顔色や声の調子や生活の状態を見守る日々の様子だった 長い沈黙と繰り返す後悔の話を聞く事しかできなかったその夜 私は眠っていながら起き…