昴は小さくため息をつき、重い言葉を絞り出した。 「俺は……何をやってもうまくいかなくて、どうしていいかわからないんだ」 恵はそっと彼の背中に手を置き、寄り添う。 「そんな日もあるわ。でもね、あなたが苦しい時は、私がここにいる。いつでもあなたの味方よ」 その言葉に昴は、少しずつ肩の力が抜けていくのを感じた。 二人は言葉少なに、静かな夜を共に過ごした。 恵はやさしく笑いながら言った。 翌朝、私はふと思い立って、ある寺を訪ねることにした。 昔、祖母に連れられて何度か訪れた、山の中腹にある小さな寺だった。 その日、私は珍しく早起きしていた。 陽が差し込む前の静かな朝。 息子が寝室で寝息を立てている音が…