多趣味で手が器用、ということにしているわたしにも、苦手なものがある。それは『お菓子作り』だ。 バレンタインはわたしにとってハンター試験並みの難易度である。でも、好きな人に渡さない選択肢はこれっぽっちもない。挑むしか、道はない。 高校生のときは、お菓子作りが趣味の母がいて、大学生ではお菓子マスターの先輩がいた。わたしの仕事はスプレーチョコをちょんちょんと添えるだけで、「あら不思議、美味しいお菓子のできあがり♪」が当たり前だった。 生まれてはじめてひとりで作るバレンタイン。去年のことだった。お菓子作りのうち、一番簡単なのは生チョコだと思った。板チョコと生クリームとバター。溶かして固めるだけの2ステ…