何故あんな事を言ったのだろう。親指と人差し指で輪っかを作りそれを上下に素早く動かして見せた。「コレもいいけど、勉強にも励んでね」と。 サウナに入っていた。午後になって強い風の中を雪が舞うようになった日だった。今の仕事は外でやることが多いので身も心もすっかり冷えていた。幾つかある温泉を選んだ。そこにはなかなか良いサウナがあるのだった。サウナマットを持ってドヤドヤと五人の青年だった。骨の芯まで冷えていた自分は邪魔にならぬようにと広くはない熱気のこもる木造りの部屋の隅に移動した。 「最近、弘美ちゃん可愛いくなった」「だよな。ちょっと気になる」「眼鏡が良いよな。胸もクラスイチだしな」「勉強してても思い…