夕焼けが西の空を茜色に染め上げる頃、 巨体を持つブラキオサウルスのブロントは、 いつものように静かに草を食んでいた。 穏やかな風が、長く伸びた首を優雅になでる。 ブロントは、この広大な緑の大地が永遠に続くものだと信じていた。 仲間たちの優しい鳴き声、木々のざわめき、遠くを流れる川のせせらぎ。 それがブロントの世界のすべてだった。 しかし、その静寂は突然、終わりを告げる。 空が、見たこともないほどに赤く染まり始めたのだ。 それは、夕焼けとは全く異なる、不吉な赤黒い色。 ブロントは不安を感じ、巨体を揺らしながら顔を上げた。 遠くの空に、燃えるような光の筋が見えた。 それは、信じられないほどの速さで…