介護の現場にいると、どうしても日々の忙しさに心が追いつかないことがあります。 あの人のオムツ交換、あの人の食事介助、あの人の転倒リスクの確認。 頭では分かっていても、心がついていかない日がある。 でも、そんな時こそ、ふと立ち止まって思うんです。 ――本質って、なんだろう?と。 介護って、何のためにあるんだろう。 私たちは「正しいこと」をやるためにここにいるのか。それとも、「その人にとっての幸せ」を守るためにいるのか。 きっと、どちらも正しい。けれど、現場の中にいると、その“どちらも”がぶつかり合う瞬間がたくさんあります。 ある日、Bさんという90歳の女性入居者様がいました。認知症が進み、会話も…