植物たちが芽吹き始める春、門出の季節に『明窓(250329)』は思う。雑草は踏まれても踏まれても立ち上がる。「これは間違いだ」と地元企業の経営者が、集まった社員を前に話す。雑草は何度も踏まれると、茎を倒して地面をはうようにして伸び、花を咲かせる。経営者のメッセージは変化の大切さだ。求められるのは自在に形を変化させる、しなやかでたくましい雑草魂。何もかもうまくいかない時は無理して伸びようとしなくていい。冬の寒い時期は地下の根をぐんぐん伸ばし、栄養分を蓄えて芽を出すタイミングを待つ。植物学者の牧野富太郎は<雑草という草はない>と。入社してすぐは「新人さん」だが、そのうち顔と名前を覚えてもらえる。自…