芸術家。作家、画家。 ハイレッド・センター、櫻画報、路上観察學会、トマソン観測センター、ライカ同盟、日本美術応援団などの活動を行う。 千円札を印刷して芸術作品としたため、刑事事件に問われ有罪となった(千円札裁判)。また、老人力を提案するなど独特の視点を持つ。 小説家としての筆名は尾辻克彦。 参考リンク:http://www.pluto.dti.ne.jp/~imasa/akas.html 2014年10月26日死去。享年77。
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2020年4月号掲載 毎日新聞夕刊報道グループ記者(当時)/藤原章生 「セルフ特派員になろうかと」。先日、高校の山岳部の先輩と会ったとき、そんなことを口にした。これは自分の造語だ。それまでこんな言い方はしなかったのに、リタイアしたあとのことを問われたとき、さらっと「セルフ特派員」という言葉が出てきたのだ。 こんな話だ。私は過去31年の記者生活のうち32歳の年のメキシコ留学の1年を含め14年半を海外特派員として過ごしてきた。それ以外では、エンジニアを辞めて27歳で新聞記者になった直後に長野市で2年、そして大町市で1年、さらには震災後の1年を福島県の郡山市に駐在した。知り合いが誰もいない土地に入り…
2018年9月号掲載 毎日新聞夕刊報道グループ記者(当時)/藤原章生 日曜日の午後、思い立って玉川学園の尚子さんを訪ねた。芸術家、赤瀬川原平さんの奥さんである。赤瀬川さんが亡くなったのは2014年10月26日。あれからもうすぐ4年である。 「奥さん」と書くと、「そういう呼び方が女性を差別している」と思われる方もあるだろうが、尚子さんの場合、この呼び方がしっくりくる。妻、パートナーというとちょっと違和感がある。 赤瀬川さんが亡くなった日、私は尚子さんに電話で呼び出され、かけつけた。頬の冷たくなった遺体のそばで、娘の桜子さんと尚子さんとしばらく共に過ごした。そして、夕暮れを前に南伸坊さんら友人らが…
2014年12月号掲載 毎日新聞地方部編集委員/藤原章生(当時) ここ2週間余り、風邪で臥せっていた。のどの痛みから始まり、37度台の熱にせき、たんがともなう、典型的な風邪だが、ずいぶんと長い。風邪薬や抗生物質をのんでも完治しない。単に抵抗力が落ちているようだが、何年かに一度、こういうことがあるので今回もそのパターンだと思う。 例えば、南アフリカや、メキシコを離れる直前、ギリシャ危機の取材が山を越えたころに、同じようなことがあった。その例から見ると、長い緊張から解けたあとに必ず起きている。熱心に仕事をして走り回っているときではなく、「そろそろ終わり」「山を越えた」という時期を選んで、このパター…
土曜日、 暑い。青い。まぶしい。 時刻は5時半。この時間でこの暑さ、この青空、この日差し。確かにもう6月後半に入ったタイミングではあるけれど、一応まだ梅雨だと思う。 まあ豪雨と比べれば全然ありがたいけれど、こんだけ晴れていると、なんだか天気に突き動かされてタスク処理をしているようで、ちょっと違和感がある。天気が悪いと、 「こんな天気でも頑張ってやっている自分」として、まるで自分がこの世界を動かしている、みたいなしょうもない魔法使いのような感覚に陥ることがある。 お天道様にはかなわない、そう思った。 さて、とにかくこんな日は世の中が混む。徹底的にテキパキと終わらせて、カフェに向かう。しかし、なん…
かつて赤瀬川原平さんの本から植物ワイパーというものを教えてもらったことがあります。観察してみると至る所に存在しています。 ”トマソン”という言葉も長らく認知していましたが、赤瀬川原平さんが命名に関与していたとは。語源はある人物由来なのですが、ご本人は知っているのでしょうか。 トマソン 不動産に付属し、まるで展示するかのように美しく保存されている無用の長物。(役にたたない・非実用) 柔軟で豊かな発想をお持ちの赤瀬川さんが、千利休、無言、前衛、についてあれこれ思索します。きっかけは映画の脚本でした。 この本は資料としては何の価値もない。 とあとがきにあります。確かに千利休のことについてはもっと詳し…
www.scaithebathhouse.com 以前こちらの記事で言及した故赤瀬川原平の写真展 su1264i.hatenablog.com 先週ふと思い出して、滑り込みで行ってきました。良いタイミングで思い出してよかった~ ギャラリーの外観はこんな感じ こじんまりとしたサイズに比して割合多くの人がひしめき合っていました。 赤瀬川さんの遺した写真を六人のアーティストやキュレーターが厳選し、展示するという企画展。鈴木康広さんという人のセレクションが私は好きでした。 この人の見ていた世界は、一体どれだけの密度と解像度で迫っていたんだろう。。改めてそんな途方もない気持ちになる展示でした。日々そうい…
『京都、オトナの修学旅行』 赤瀬川原平 山下裕二 著 ちくま文庫 自分は、なぜか中学、高校どちらの修学旅行も関西だった。 中学の時は普通に奈良・京都。 高校の時はグループ行動で門限時間までに宿泊場所へ辿り着ければよいというアバウトなルールではあったが、その宿泊場所が奈良・京都だった。あらかじめ公共交通機関の時刻表等を取り寄せてグループの行動プランを作る“予習”の時間が設けられていたし、モデルプランも提示されていたが、放任主義な高校で、時代的にもおおらかだったことから、“予定通り”の行動にならないグループが続出した。 朝食と夕食は宿泊場所で出されるものを食べるのだが、昼食はグループごとの自由行動…
「超芸術トマソン」を読了しました。 booklog.jp ↓トマソンとは? bijutsutecho.com 近年でもツイッターとかでこういう感じの投稿がよくあって、なんともいえない見落としがちでどうでもいい情報や景色が鮮やかに肉薄してくる感じ…とでもいいましょうか、それがたまらなく好きです このサイトみたいなのね。 shirouto-kenkyu.com トマソン関連ではないですが、特に好きなのはこの記事で、好きすぎて数年に一回読み返しています shirouto-kenkyu.com こういう世の中にほとんど認知されていない感じ、我々の観測で初めて実体が立ち現れてくる感じが良い。軍艦島みたい…
「眠れる森の美術」展 赤瀬川原平 中村正人。1997.10.10~11.3。 上野の森美術館(別館) THE BATHHOUSE 東京芸術大学(交渉中) 1997年 ワークショップもあり、それが日程が合わないと、見ていないことも多く、印象としては、中村政人のインタビュー集が強く、他のことはほぼ覚えていなかった。 赤瀬川原平 「今回は、彼が今最も興味を持っている写真にスポットをあて、猫の写真展をTHE BATHHOUSE」「で開催します。そして、煙突上には2m大の眠り猫を設置します。関連して、子どもたちを対象にしたネコのワークショップや、ペット探偵との対談を予定しています」。 中村政人 「この企…
待っていたメールが・・・届いた。 『 応募人数が定員を超えたので抽選を行った結果、残念ながら選外となりました 』 あさって日曜日の路上観察会、見事落選 (^^; 『 落胆されないで下さいね。日を改め追加募集を予定、希望される方は・・・ 』 捨てる神あれば拾う神あり、こちらは当選。 トマソンを探せ、今から楽しみ (^o^)/ 赤瀬川源平さんの展覧会、ほかに3人の方と共同展示。 中でも、牛島光太郎さんの作品が印象に残った。 添えられた言葉の豊かさ、詩のようでもあり短編小説のようでも。 たまには、こんな空間でのんびりするのもいいね。 さりげなく置かれた椅子、エレベーターですらアート。
土曜日、甲府 vs 群馬 ホーム 小瀬 4-1 勝利。恋い焦がれ、待ち焦がれたホーム小瀬での勝利。ゴール裏は青赤の帯と「闘え、ここは俺たちの夢叶う小瀬」の幕一枚*1。コロナ禍、天皇杯、ACLと来て、本当に甲府のゴール裏はすごいと思う。なにより「引き」「抜き」がカッコイイ。ドラムを抜いて手拍子だけとか、手拍子抜いて声だけとか、ちょっとカッコ良すぎる。シビレル。「粋」だと思う。「引く」「抜く」っていうのはとても勇気がいる。選手がピッチで勇気とかそういうものを示しているように、スタンドもそういうものを示してると思う。甲府は、河田*2*3、渋谷*4、神谷*5、井上樹*6をケガで欠いていて、この試合では…
見た目きれいな「CONTAX139クォーツ」ゲット やはり落とし穴が・・・ 上質で軽快な操作感 いよいよ実写!!五感を刺激 見た目きれいな「CONTAX139クォーツ」ゲット こんにちは、ノブノブです。 最近、またまたハードオフ巡りが頻繁になりまして、暇さえあればジャンクコーナーで時間を潰しています。 先日も、とあるハードオフのショーウィンドー内にCONTAX139クォーツを発見。 値札には「ジャンク品」としつつも12,000円の値段がついていました。 ん? ジャンク品にしてはかなりな高値。 しかし、見たところかなり程度は良く外観は「美品」レベル。 139クォーツにありがちな外装の皮はがれもな…
芥川賞受賞作を遡って読んでいるひとこと感想の続きです。80年代の分です。 1990年代:続続・芥川賞ひとこと感想日記(1999-1990) - 京都ぬるぬるブログ2.0 (hatenadiary.jp) 2000年代:続・芥川賞ひとこと感想日記(2009-2000) - 京都ぬるぬるブログ2.0 (hatenadiary.jp) 2010年代以降:芥川賞ひとこと感想日記(2022-2010) - 京都ぬるぬるブログ2.0 (hatenadiary.jp) 80年代は「該当作なし」の回多し。80年上半期、81年下半期、82年上半期、83年上半期、84年上半期、85年上半期。86年に至っては2回と…
赤瀬川原平「世の中は偶然に満ちている」を読んでいた。土曜日のカフェタイム。飲んでたのはティーだけど。 背後でがっしゃーん、と陶器が割れて四方八方に飛び散った。今日の偶然。 こういうことを書いてみようかなわたしも、と思いついた次第。 私は仕事をしなければならない。その必要に迫られている。この黒い点線を一つずつ書きしるしていくのだけれど、小説にならないように気をつけようと思った。偶然の光というのは、小説になると消えてしまう。それは人間の創造力の外側にあって光っているのだ。ー偶然小説「舞踏神」赤瀬川原平ー この部分に出会ったのも偶然。 byせいよう
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); わたしは定職につかず、マイペースにできるフリーランスの仕事をこなしながら生活しています。 働くのは午前中だけで、稼ぐのは最小限。 つまりほぼほぼ無職(ニート)のような暮らしです。 この記事では、そんなわたしが無職になるにあたって参考にした本や、ためになる本を紹介します。 どんな事情があったのかわかりませんが、ただ今絶賛無職中の人に読んで欲しい。 無職を続けたい人のための本。(①~⑦) 逆に無職から社会復帰を予定している人のための本(⑧~⑪) も紹介します。 いづれにしても無職のうちに読んでおけ…
たまには予定がないダラダラするだけの休日が欲しいと言っているくせに、いざ休日になると、そわそわして全身全霊が不快になっていてもたってもいられなくなり、思わず家を飛び出してしまう。もうなんか病気じゃないかと思う。家を出てしばらく行くと、桜並木が満開になっていた。 桜なんて別にいつでも見られるんだし人多いし、わざわざ見に行かなくてもいいかなぁと思っていたけれど、薄ピンクに染まっている川沿いを眺めると不思議と気持ちが落ち着いてくる。心の不快感がすうっと抜けていくような気がした。 このまま60km離れた古本屋まで行こうと思った。自動車専用道を法定速度で走るトラックについていると、横からビュンビュン追い…
本稿は,外山恒一氏主催・第34回「教養強化合宿」(通称・外山合宿)に参加しての感想・知見を明文化することを目的としている(第1章・第2章).また,これに合わせて,筆者自身が今後の発展学習の参考とするために,講義中に紹介された文献の一部を掲げる(第3章).さらに,「ギャラリー」と題した章に合宿中の写真を時系列でいくつか掲げる(第4章). なお,念のため筆者の立場を表明すると以下の通りになる. ノンポリ・ノンセクト.強いていうなら社会民主主義・ローザ主義. 新左翼運動は歴史学の対象として見ている.学生運動やセクトには一切関わっておらず,今後関わるつもりもない. 参加時点での所属は早稲田大学教育学部…
最近読んだ本で、まだブログに書いていなかったものをまとめて書き記しておきます。 『月の部屋で会いましょう』(レイ・ヴクサヴィッチ) 全く知らない作家だったけど、岸本佐知子さん翻訳本なら間違いないだろうと手に取ってみた。肌が宇宙服になって空へ舞い上がる奇病とか、無茶苦茶シュールな光景をよくある出来事みたいにさらりと描くSF短編集。中では『彗星なし(ノー・コメット)』が好きだった。 月の部屋で会いましょう (創元SF文庫) 作者:レイ・ヴクサヴィッチ 東京創元社 Amazon 『フングリコングリ 図工室のおはなし会』(岡田淳) 娘に薦められた児童文学。放課後の図工室を訪れる虫や動物たちに先生が語る…
★★ 母セツ子(87) 100歳まで 4732日 ★★ リフォーム後 初めての朝 いつもと変わらないフレンチトーストの朝食 www.sakaigoyuko.com 何度作っても 美味しいわぁと声をあげる ラクちん手抜き料理 キッチンの出窓は少し低くなった 座ったままでメイクするのにちょうどいいかな 以前は立ってメイクしていたセツ子 どうかしら? そこに ピンポーーーン こんなに早く誰? K姉さんだ 昨日はご馳走様! と わざわざ来てくれた セツ子は ワンちゃんが怖い様子 www.sakaigoyuko.com お土産にはトマト🍅 こんなに美味しいトマト 久しぶりに食べました お昼にやってきたツ…
……、このしばらくのあいだ、さまざまなことがあった。もういちど、かくことをつづけてみる…… 再び沖縄に出張することになったので、片道半日以上の移動のあいだに読む本を数日前から考える。飛行機、バス、フェリーの計8時間弱。前回読んでいたのはジョン・バージャーだったから、と考えるがいい本が思い浮かばない。読みかけの本で近いのはおそらく安東次男だけど、このところ少々ストップ。建築関係は重たい本が多いし、クレーは(今回もまた)読めなそうだ。/パウル・クレーの『造形思考』は昨夏、きっかけがあって何度もページを捲ったけれど、どうも読めた気がしない。あの詩的な作品と、言葉によってかなりロジカルに構成された内容…
日本の名随筆 (別巻73) 野球 作品社 Amazon 野球が大好き。年間365冊読む本のウチ、野球関連だけでも20冊は読むかなあ!そんなにあるのって思うかもしれないけど、あるのよー!!!(*^^*) さて、この本は野球に関しての随筆を集めたもの。スゴいのは宮沢賢治、正岡子規、夏目漱石が野球について書いた文章もあるのよ!!!スゴいでしょ!!!そのエッセンスを紹介しよう。 ・愉快とよばしむる者ただ一ツあり ベース、ボールなり 凡そ遊戯といへども趣向(プリンシプル)簡単なれば、それだけ興味薄く。さりとて囲碁、将棋の如きは精神を過度に費し、且つ運動にならねば遊戯とはいひがたし 運動にもなり しかも趣…
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舟を編む 三浦しおん 光文社 電子書籍 再読。NHKBSで放送中のドラマを見て、こんなエピソードあったかな?と、10年以上前の記憶を確かめた。出版社の辞書編纂部門の話だが、ドラマは原作の後半部分から始まっていた。そういえば映画もあった。原作は読みやすく、登場人物はコミック風で軽いタッチだが、会社で違う部署に異動になり、戸惑いながらも新しい仕事に向かって行く様子が面白かった。10年以上前の原作だから、ドラマでは辞書のデジタル化云々も出てくるのだろう。 探してみると、わたしの本棚に辞書・辞典・事典の類はもう一冊しかなかった。終活で他は潔く処分した。惜しい気もしたが、老眼であの小さな字が読めなくなり…
日曜日。曇。 NML で音楽を聴く。■モーツァルトの 二台のピアノのためのソナタ K.448 で、ピアノはマルタ・アルゲリッチ、セルゲイ・ババヤン(NML)。モーツァルトの傑作の、よい演奏。この曲についてはアルゲリッチはラビノヴィチ=バラコフスキーとの録音もあって(参照)、そちらの方が演奏の生命感はあると思うが、いまのわたしにはこれの方が好ましかった。この演奏は 2021.12.17 にも聴いているみたい。セルゲイ・ババヤンについてはわたしは何も知らないが、(一部で?)高い評価を受けているピアニストらしい。 ■プロコフィエフのピアノ協奏曲第五番 op.55 で、ピアノはセルゲイ・ババヤン、指揮…