朝日さす 軒のたるひは 解けながら などかつららの 結ぼほるらん 初めて末摘花の顔を見た時の歌 by 源氏の君⛄️ 〜朝日がさす軒にさがった つららは溶けておりますのに、 どうしてあなたのお心は 凍ったままとけずにいるのでしょう。 【第6帖 末摘花】 何ともものが言えない。 相手と同じように無言の人に自身までがなった気がしたが、 この人が初めからものを言わなかったわけも 明らかにしようとして何かと尋ねかけた。 袖で深く口を被《おお》うているのも たまらなく野暮《やぼ》な形である。 自然|肱《ひじ》が張られて練って歩く儀式官の袖が思われた。 さすがに笑顔《えがお》になった女の顔は 品も何もない醜…