◆公開運転会の余韻と揺れる胸の内 公開運転会を終えた奈葉は、部屋の片すみに置かれた自分のモジュールレイアウトを、ぼんやりと見つめていた。 複線レールが伸びるだけの素朴なモジュールは、単体では何も語らず、仲間のモジュールと繋がって初めて風景となり、物語をつむぎ始める。 その姿は、一人では完結しない自分自身と、どこか重なって見えた。 白木彩加との打ち上げで告げられた「亮太さんは奈葉さんのことが好き」という言葉が、まだ胸の奥に沈んだままだった。 奈葉は、亮太を逃がしたくない気持ちを自覚しながらも、それを認めるのが怖くて、今の自分には受け入れられないと、言い聞かせ続けていた。 ◆103系キットと、6月…