京都に、養源院という名所がある。 出会いのきっかけは、かなり前(たぶん20年くらい前になるか)、Lマガジン社が発行していた、京都のアートを紹介する、といった雑誌で、養源院にあるという俵屋宗達の白象図が紹介されていた。なんとも前衛的な表現に衝撃を受け、すぐに見に出かけた。 以来、自分にとっては養源院は特別な場所で、今なお京博等にでかけた帰りに、ぶらりと立ち寄ることも多い。 「ここに血が残っています」 養源院のみどころは、主に俵屋宗達の作品たちだが「血天井」があることでも有名だ。 説明員が、長い棒を天井に指し示して、血痕が残っていることも説明してくれた。 だけど、それが、かの鳥居元忠が伏見城で、石…