🔥 20年走り続けて、ついに“それ”を見た日 ──それはいつもの、ただの朝ランのはずだった。 靴紐を結び直し、いつものようにいつもの道を走り出す。朝の空気は冷たく、肺の奥が少し痛い。だけど、その痛みが生きている証のようで、私はいつものように前へ歩みを進めた。 20年。膝が壊れても、腰が悲鳴を上げても、熱があっても、私は走ることをやめなかった。それは誰かに見せるためでも、記録を残すためでもない。ただ“走る”という行為が、私の中の何かを守ってくれていたからだ。 ──そして、その朝。 雲が裂け、光が差した。 いつもの道に虹がかかり、世界がまるで異界の入口のように輝いていた。 その虹の架け橋の向こうに…