沖縄から鹿児島へ引っ越すと、やんばる三種の野鳥たち(ホントウアカヒゲ、ノグチゲラ、ヤンバルクイナ)とは会えなくなる。寂しいけれど、それは覚悟の上だった。 その一方で、鹿児島でも見られるはずなのに出会いのチャンスに恵まれない鳥がいた。ムナグロはその代表格だ。 沖縄では、自宅から近い海辺の公園にムナグロが群れていた。毎年秋になると飛来し、春を迎えると北へ向けて旅立っていった。 ムナグロは冬羽と夏羽で印象がガラリと変わる。冬羽のムナグロは地味だけどしっとりとした風情がある。夏羽では顔から腹にかけて黒くなる。エレガントな夏羽を目にすると、旅立ちが近いことを知って寂しくなった。 公園のムナグロは野鳥写真…