若君の師から字《あざな》をつけてもらう式は 東の院ですることになって、 東の院に式場としての設けがされた。 高官たちは皆この式を珍しがって参会する者が多かった。 博士たちが晴れがましがって気おくれもしそうである。 「遠慮をせずに定《きま》りどおりに厳格にやってください」 と源氏から言われたので、しいて冷静な態度を見せて、 借り物の衣裳《いしょう》の身に合わぬのも恥じずに、 顔つき、声づかいに学者の衒気《げんき》を見せて、 座にずっと並んでついたのははなはだ異様であった。 若い役人などは笑いがおさえられないふうである。 しかもこれは笑いやすいふうではない、 落ち着いた人が 酒瓶《しゅへい》の役に…