2025/5/31
8時起床。食パンを切らしていたので今日はご飯とみそ汁(インスタント)に炒り卵、レンジでチンするだけの焼き鮭の和朝食。たまにはいいね。朝から妻と妻の実家へ。耐震の為のリフォームすべく業者と打ち合わせとのことで同席する。古い平屋でそういえば20年ぐらい前に今は亡き義父といっしょに床板の張替えしたな。で妻はそのまま居残り諸々お手伝いなので一人ぶらぶらと駅前のスーパーに寄ってコロッケ買う。以前近所の商店街にあった店は残念ながら2年ほど前に閉店。そこだと注文してからおばちゃんが揚げてくれたので揚げたてを食べられたのだが。5個300円。今でも十分安いが前は200円で5個買えた。のんびり京阪石坂線に揺られ帰宅。インスタントラーメンと買ってきたコロッケの昼食。
今日は映画館にはいかず家で。アマプラで映画を一本。未見だったイ・チャンドン監督97年のデビュー作「グリーン・フィッシュ」を観る。兵役を終えたばかりのマクトン。帰省途中、汽車の中でチンピラに絡まれていた女性を助ける。彼女は組織のボス・テゴンの情婦エミ。再会した彼女の紹介でマクトンは組織の一員となるのだが…。生きる目的もなくただ刹那的に生きるマクトン。鬱々としてまるで出口のない生活の中でマクソンはゆっくりと落ちていく。それはエミもテゴンも同じだった。やるせなく果てしない諦観がマクトンを支配していく。「ペパーミントキャンディー」「オアシス」「シークレットサンシャイン」「ポエトリー」…とイ・チャンドン監督作はどれもどうしようもないやるせなさとそこに差し込む一筋の光が美しく心に残る名作ばかりだ。このデビュー作は粗さもありながらもやはりイ・チャンドンらしい眼差しがある。あと思ったのが初期北野映画との共通点だ。まさにそのやるせなさや突発的な暴力。どこか冷めていて自ら落ちていくような登場人物たち。音楽の入り方なども初期作、特に「その男、凶暴につき」を想起した。
おやつにドーナツとコーヒー。合うなー。ナイスコーヒー。最高の組み合わせ。部屋で日記を仕上げる。
TVで「博士ちゃん」サグラダ・ファミリアスペシャル。素晴らしい映像に釘付け。行ってみたいな。
2025/6/1
8時起床。今日はイベント仕事。家から車で15分ほどの場所なのでちょっとのんびり。10時集合で片付け終わって16時30分終了。ランチあんぱん一つだったので、施設内にあるバーガーキングでBBQワッパーJr。
しかしきつい仕事ってわけでもないのだけど外で一日動き回ってると夜には疲れがどっと来る。10時過ぎには寝る。
2025/6/2
昼休みの読書。瀧島祐介著「獄中で聴いたイエスタデイ」読了。1980年、コンサートのため来日したポール・マッカートニーが大麻所持で逮捕。警視庁の留置所に収監されたポール。そのポールと時を同じくして留置所にいたのはフィリピン・マニラの拳銃密輸事件にからみ仲間一人を射殺、殺人罪ですでに逮捕されていた瀧島祐介だった。運動場で顔を合わせ、同じく収監されていた英語が堪能な政治犯を通訳に会話を交わす。そしてある夜、房の壁ごしに瀧島はこう叫ぶ「ポール ! イエスタデイ、プリーズ ! 」と。するとしばしの沈黙の後、指でカウントをとりおもむろにポールは「イエスタディ」を歌い始めるのだった。留置所にいた皆は大歓声。監視員も注意することも忘れ聴き入る。結果ポールは4曲をアカペラで歌ったのだった。そんな奇跡的な邂逅の後、瀧島は20年以上に及ぶ刑務所生活を経て出所。一度は極道に戻った瀧島だが、ポールにもう一度会いたい、「イエスタディ」をもう一度聞きたいという想いで足を洗い更生の道へ。そしてカタギになった瀧島のポールとの再会大作戦が始まるというノンフィクション。何が面白いってポールの略歴とともに瀧島の生い立ちから極道の道へ、そして拳銃密輸に絡んでの殺人、その詳細が語られる。殺人に至る心情からその手口までもがあまりに詳細に語られるもんだから恐れ入る。そして刑務所生活の描写がまた面白い。暴れたあげくに手足を縛られ独居房に放り込まれるところなどは経験者にしか書けないリアリティ。出所してからの難しさ、結局ヤクザに戻るしかない実情。そこから引退しカタギになる際の苦労。それに手を差し伸べるのが彼を取り調べたマル暴の刑事ってのもなんか人情ドラマ感がある。そしてポールに再会すべく、友人やポールファンの手引きでコンサート会場やホテルで出待ちする一連のミッション遂行の一部始終など。NETFLIXでピエール瀧主演でドラマ化できそう。面白かった。
夜、「続・続・最後から二番目の恋」リアタイ。今日も素晴らしかったなー。「ダンスには間に合う」に絡めたくだりにグッとくる。自分も50半ば。サラリーマンとしての限界ももうとっくに見えている。それなりに出世もしたが本来自分がやりたかったことができているかと言われると…。組織の一員として向いてない仕事をこなし心を涸らしていく。果たして俺はダンスに間に合うのかなと思う。
YouTubeにUPされた小泉今日子と中井貴一が歌う「ダンスには間に合う」MVも良き。キョンキョンを観ていると歳を重ねていくことも悪くないなと思える。
2025/6/4
TVerで「対岸の家事」最終回。人は人とのかかわりの中で人になっていくのだな。親、家族、友達etc。どれもがいい関係という訳ではない。親子であっても時には反発し合い、憎み合い、分かり合えない。でもその関係もまた動いていく。人は孤独なものだけど、やっぱり一人で生きていくのは辛い。特に友達は必要だな。自分は子供の頃から友達作りが苦手だった。小心で臆病、そのくせプライドが高く自分を見せることが出来なくて壁を作ってしまう。人が嫌いという訳じゃない。むしろ人には興味があるのだがどうにもうまくいかない。いったん仲良くなればそれなりの冗談も言えて楽しく過ごせるのだが、そこまでに時間がかかる。学生の頃は2学期まで友達ができないなんてこともざらだった。最終的にクラスに友達が一人もいないまま1年が過ぎたこともあった。大学のギター部でやっと自分らしくいられて決して多くはないがその時にできた友達は今も付き合いがある。とはいえ皆忙しくそれぞれの場所で働いているので年に数回会う程度になってしまった。下戸だけど時にはふと飲みたいと思う夜もある。そんな時に気楽にどうでもいい中身のない話ができる友達が今身近にいるかというといない。映画を観たり、本を読んだり、一人で楽しむ術はある。家族もいるし寂しいなどと言っては罰が当たる。でも時々。本当に時々、風が吹き抜ける時がある。
2025/6/5
昼休みの読書。寺尾紗穂さん編によるZIN「音楽のまわり」読了。伊賀航、ユザーン、折坂悠太、浜田真理子など音楽家たちが音楽以外のことを書いたエッセイ集。それぞれなんて事の無い、まさにちょっとしたことを書いているのだけどその文章はどこかそれぞれの音楽にも通じる。生真面目な文章、ユーモアたっぷりの文章、穏やかで優しい文章、こだわりを感じるマニアックな文章etcどれも昼休みの30分に読むにはちょうどよいエッセイで楽しく読めた。
2025/6/6
BS朝ドラ再放送「チョッちゃん」佐藤慶演じる頑固親父がいい。ただわからず屋なだけじゃなく、その裏に娘や家族への想いがありつつ、家長としての威厳に自分自身が囚われて素直になれない。また由紀さおりが演じるちょっと呑気でおおらかな母親もいい。
夜、NHK+で松田聖子スペシャル。ガンガンにライトを照らされた松田聖子が過去の映像を紹介。NHKに残された80年代の松田聖子の映像の数々。まさに世代なのでどの曲も完全に頭の中に刻まれている。デビュー曲「裸足の季節」は洗顔フォームのCMソンググとして聴いた。当時「ズームイン!朝」の新人コーナーに出たのを覚えてるな。で「青い珊瑚礁」。ベストテン初登場で飛行機のタラップから降りてきた歌った姿は衝撃的だったな。爽やかで可憐で当時10歳の少年の心は一瞬にして掴まれたのだった。しかしまぁ松田聖子、特に80年代の楽曲は強い。圧倒的なクオリティで、今聴いても懐かしの歌謡曲という感じではなく、現役のポップソングとして勝負できる強さがある。80年代の松田聖子が歌う映像を観てると、なんというかその頃の記憶や時代の空気がパッと蘇る。40年前がまるで昨日のようにも感じられる。まるでタイムマシンだ。
歳をとると何を観ても何かを想い出す。