今年の春も天候は今一つ安定せぬ中、旧暦でのお釈迦様誕生会(たんじょうえ)である、灌仏会(かんぶつえ)の茶会を開きました。
寄付
平山 郁夫 【薬師寺散華色紙】
色紙掛 「古代裂」
足元には 真葛 二代 宮川 香斎のインドの「白い象」を。
本床には 灌仏会には欠かせない
東皐心越「誕生仏」を。
【東皐心越】(とうこうしんえつ)
俗姓/蔣、名/兆隠のちに興儔、字/心越、号/東皐、別号/樵雲/越道人
江戸初期の渡来僧。長崎興福寺に入り、水戸光圀に迎られ水戸天徳寺に住す。
水戸祇園寺、高崎少林山達磨寺開山。
詩文、書画、篆刻など中国の文人文化を日本に伝え、古琴は日本の琴楽の中興の祖、
「散華盆」「散華」(寺院で仏や菩薩が来迎した際、華を降らせたという故事に由来)
「釈迦像」「甘茶」(お釈迦様が誕生の際、甘露の雨が降ったという経典に由来)
花入は 葛明祥 「海鼠釉楕円形水盤」
【葛明祥】(かつめいしょう)
清朝乾隆・嘉慶年間(1736年-1821年)頃に活躍していた、
宜興窯(ぎこうよう)の陶工で親子三代で銘を使用していた。
宜興窯では当初、鈞窯釉を中心に制作をしていたが葛明祥と
弟の葛源祥が海鼠釉を発展させたのが始まりとされており
作品の多くは日本へ輸出され中国ではあまりないとされている。
お釈迦様がネパール南部ルンビニの花園で誕生された為、同じように
沢山の花でお祝いいたします。
香炉 永楽善五郎「黄交趾香炉」
香 甘茶線香(花まつり用)
釜は 佐藤 清光「肩七宝 透木釜」
炉縁 「輪島塗 花筏蒔絵」
平沼 浄「升乾漆 四方茶器」
水指 玉堂窯(手塚玉堂)「青磁 平水指」
宗竹(造)佐藤朴堂(花押筒書)
「銘 朝露」儚いもの(命)のたとえ
藤田 宗勝「唐銅製 蓋置」
前田家鋳物師七人衆の家柄。高岡住
「春慶塗 曲建水」
「雲錦之筏」山沢 松篁
「
(花鳥文)」と箱書
そしてお楽しみはインドの菓子
ラスグラ・RASUGULLA
乳蛋白をレモンや酢、乳清を使って凝固させたチェナー(インドのフレッシュチーズ)に重しをして水切り、セモリナ粉をくわえ団子状にてゆでる。
これをラスゴーラという。同類にチャムチャムがある。
庵主はインドラジギ-ルでの日々、これをボールに、抱えて食べていた由。
もう一つは
ソーンパプディ・SOAN PAPDI
干菓子というより主菓子のような大きめの、これも牛乳と砂糖、スパイスも加えて
作られている。
本日の抹茶は 銘「五重の白」詰「清風園」東寺御用達
早くも初夏の陽気。
薫風の時期が年々少なくなっている感がいたします。