John Dewey(1859-1952) アメリカの哲学者、教育学者。 1859年、バーモント州バーリントンに生まれる。 バーモント大学、ジョンズ・ホプキンズ大学大学院を経て、ミシガン大学、シカゴ大学、コロンビア大学などで教授を歴任。 最初、ヘーゲル哲学を学んだが、のちにウィリアム・ジェイムズに大きな影響を受け、プラグマティズムの担い手となる。
定期購読している「先端教育」ですが、最新号で「ネガティブケイパビリティ」に触れている記事があり、目が留まりました。 ネガティブケイパビリティとは、平たく言えば、「モヤモヤに耐えうる力」のことです。 その昔、ジョン・デューイは、このモヤモヤとした「不確定な状況」から、浮かんできた「問い」や「解決の予見」、もしくは「仮説」の感覚を自ら得て、次にそれを提案や計画によって深めていくことこそが探究のプロセスであると言ったそうです。 デューイは『論理学』のなかで、探究の本質は「不安から安心への移行」であるとし、探究は曖昧・心配・混乱・矛盾・不明瞭な「不確定な状況」からスタートするとした。 自分が人材開発・…
よく、「ブロック学習」と「インターリーブ学習」のどちらがイイの? ということが議論されます。 そこで、今回は、学習方略である「ブロック学習」と「インターリーブ学習」の「向き・不向き」というか、「インターリーブ学習」が有効な学習者について考えてみます。 (ブロック学習) 一つのトピックやスキルを一定の時間集中して学習する手法。学習者は一つの概念やスキルを完全に理解し、それをマスターするまで他のトピックに移らないというアプローチ。 (インターリーブ学習) 異なる種類のタスクや情報を交互に練習する学習方法。ブロック学習の合間に関連性がある別の学習を挟むアプローチ。 私的には、「ブロック学習」だけやっ…
読んだ本 ジョン・デューイ『公衆とその諸問題:現代政治の基礎』ちくま学芸文庫 (2014) 佐々木中『切りとれ、あの祈る手を:<本>と<革命>をめぐる五つの夜話』河出書房新社 (2010) 米山優『アラン『定義集』講義』幻戯書房(2018) 鈴木直『アディクションと金融資本主義の精神』みすず書房 (2023) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 うろ覚えではあるが、1,2年前に落合陽一氏の番組を観たときに「哲学的な議論はいつまで経っても終わらないので、結局テクノロジー…
読んだ本 デューイ『民主主義と教育 上』岩波文庫 (1975) フリードリヒ・フォン・シラー『改装版 人間の美的教育について』法政大学出版局 (2017) 福嶋亮太『百年の批評:近代をいかに相続するか』青土社 (2019) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 つい最近まで本を理解しよう、理解しようという気持ちが先行し、読みながら自分で物事を考えるほうに重点を置けなくなってしまっていたように思われた。 今日は意識的にそのことに留意し、要所要所で時間を作り自分である程度深く考える、精読に近い読み方で読書を行った。 ・・・ 『書物というウイルス』などの…
読んだ本 ジャック・デリダ『哲学への権利 1』みすず書房 (2014) ジョン・デューイ『経験と教育』講談社学術文庫 (2004) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 自分は松岡正剛氏の編集的な読書法に大きく影響を受けている。 多読の醍醐味を教えてくれたのも、同時読みの意義を教えてくれたのも、読書の楽しさを教えてくれたのも概ね松岡氏によるものだと感じている。 とくに、角川ソフィア文庫から出ている松岡氏の『編集力』と『本から本へ』は、気になった本をすぐに読みたがる自分に嫌…
読んだ本 シェルリ・ミサック『プラグマティズムの歩き方 上巻』勁草書房 (2019) ジョン・デューイ『経験と教育』講談社学術文庫 (2004) 島田雅彦『パンとサーカス』講談社 (2022) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 今日はいつもより長い時間書店にこもった。 様々な本を立ち読みしつつも書店に悪いので数冊購入した。 人文知が軽視されている風潮とはいえ、青土社、水声社、作品社、人文書院、みすず書房、白水社、法政大学出版局といった学術系の新刊書の勢いはまだまだあるように思われた。 今日は2日ということで、4月末に出版された本が多く並んでいる…
読んだ本 ジョン・デューイ『経験と教育』講談社学術文庫 (2004) 藤本夕衣・古川雄嗣・渡邊浩一『反「大学改革」論:若手からの問題提起』ナカニシヤ出版 (2017) 島田雅彦『パンとサーカス』講談社 (2022) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 ヒュームが「慣習」に着目し、それを科学的に捉えることが「政治学」であると『精神論ぬきの保守主義』のなかで仲正氏は述べた。 デューイも教育の本質を「慣習≒習慣」のなかに見てとる。 そしてその歴史の連続性のなかにありながらも普遍的な「知」をいかにして学生の興味の対象とさせるかを教育の問題と位置付けている…
SCC ( Story Centered Curriculum ) をご存知でしょうか? (ストーリー中心型カリキュラム)については、下記の書籍でご確認してください! ストーリー中心型カリキュラムの理論と実践―オンライン大学院の挑戦とその舞台裏 で、終わってしまってもいいんですが、簡単に説明します。 要約としては、 「学習全体にひとつのストーリー性のあるシナリオを導入し、そのストーリーに沿って学習を進め課題をこなしていく教育メソッド」 ではわかりませんね。 このメソッドは、あの鈴木克明先生が、熊本大学教授システム学専攻で当初適用し、その内容が上記の本にまとめられています。 「当初」と書いたのは…
今日の積み上げ ビリギャルチャンネルの最新動画視聴 ビリギャルのnote記事を読んで、哲学者ジョン・デューイを知った 最新ビリギャルチャンネル www.youtube.com 昨日ライブ配信があったとは知らず、今朝知って、速攻で見ました。 坪田先生とさやかちゃんの対話を生で聴けるのは、本当に面白いし、多くの気づきを得られます。 今回は、11/18にさやかちゃんが本を出版されたことを記念してのライブ配信で、本に込めた思いなど語られています。 私もにわかファンとして、本をAmazonで購入しました。 ビリギャルが、またビリになった日 勉強が大嫌いだった私が、34歳で米国名門大学院に行くまで | 小…
鶏は卵に先行する。だが、それにもかかわらず、この特殊な卵は鶏の将来の型を変えることのできるように扱われるかもしれないのである。 (ジョン・デューイ『人間性と行為』人間の科学社、1995) こんばんは。鶏を「社会」、卵を「子ども」と読み替えると、《社会は子どもに先行する。だが、それにもかかわらず、この特殊な子どもは社会の将来の型を変えることのできるように扱われるかもしれないのである》となります。教育のポテンシャルを端的に表した美しいセンテンス。さすがデューイだなぁと思います。高校野球の女子マネージャーがことあるごとにドラッカーの『マネジメント』に立ち返るように、小学校の教員はことあるごとにデュー…
終戦記念日の前日に辞めると発表した岸田総理。79年前の終戦直前に自決した陸軍大臣を気取ったわけではなかろうが唐突ではあった。とはいえその瞬間から関心は“次”に移った。今こそ問われるのが“求められるリーダー像”だ。戦前戦中はジャーナリスト。そして戦後は政治家となった一人の総理大臣に注目した。 【写真を見る】総裁選に代表選…いま求められるリーダー像 第二の“石橋湛山”はいないのか…【報道1930】 ■「石橋湛山は・・・日本的な知識人といっていい」 昭和史研究の第一人者といわれ3年前に他界したジャーナリスト・半藤一利氏の名著のひとつに『戦う石橋湛山』がある。 日本が戦争への道を歩み始める昭和初期から…
夏休みに入って、3週間が過ぎました。 9-17時半勤務の夏休みの放課後子ども教室は、 24稼働日中、15日が過ぎたことになります。 しばしのお盆休みののち、16日から後半のお仕事に入ります。 連日多くの子どもたちが参加しています。 ほぼ毎日来る子、時々来る子、夏休みになって初めて来る子などいろいろで、 1学期の放課後子ども教室とは、 参加メンバーに違いが見られるのも夏休みの特徴です。 兄弟姉妹の参加も多くあります。 今年から、学童クラブとの連携もやり始めて、これまでは、過去の経緯上、 放課後子ども教室の独占だった体育館も、 午前午後、時間割を決めて、交互に使用しています。 人数の関係で、体育館…
しかし雑談のメモ(1) よしりんもたまに意味が分からないことを書く。 9日の記録。 しかし雑談のメモ(1) きちんと筋道たててまとめる気力がないため、8月3日に知人と行った雑談の記憶にある範囲を記します。裏をとる作業を省いているため内容は保証しません。 よしりんもたまに意味が分からないことを書く。 パリ五輪の開会式でマリー・アントワネットの生首が歌う。これが、フランスが「Liberte」と題して全世界に披露したショーなのだ。フランス人にとって「自由」とは王妃をギロチンにかけ、貴族や聖職者たちを血祭りに挙げたことをいうのである。 パリ五輪“生首ギロチン開会式”本当の大問題は何か?小林よしのり氏が…
(Tavistock Institute) TIMELINE https://gangstalkingmindcontrolcults.com/tavistock-institute-timeline/ 「なんてことだ! なんと簡潔なタイムラインでしょう! 私は 1954 年に生まれた 60 年代の子供で、15 歳までに LSD を喜んで摂取するなど、あらゆる「カウンター カルチャー」の流行に影響されて成人しました。最近は二元性を超越し、加速する相対的な意識レベルを統合することに苦労していますが、自分が完全に操作された被害者だと思ったことはありません。2008 年は、偶然にも私の黄金の年であり…
(8/2)ひとまず100点選書。第一弾の選書なので推薦本には頼らず。蔵書とアマゾンのブックリスト、これまでの読書経験と知識を駆使して、読みたい本を直感で選んだ。 今のところ順番はランダムだ。3500の選書リストが完成するまでには適切な分類法を見つけようと思う。その際、選書やリスト作成におけるルールも付記する(表紙画像は載せない、アマゾンや出版社ページへのリンクは貼らない等)。 (8/3)200点選書。 (8/4)300点選書。 (8/5)400点選書。そろそろ分類しないとね。日本十進分類法を参考にする予定。 (8/9)500点選書。 (8/10)600点選書。 (8/11)700点選書。 (8…
今回は、”「クリティカル・シンキング(critical thinking)力の高さ」と「学習」 ” について考えてみます。 クリティカル・シンキングが、社会、企業において「仕事ができる、できない」ということに関連しているか? と考えると、おそらく ” 非常に重要である ” と考えています。 クリティカル・シンキング (クリティカル・シンキング(critical thinking)) ・情報を客観的に分析し、評価する能力。 ・情報を明確に定義、信憑性を評価、論理的に推論、問題解決に応用する能力。 ・単に情報を記憶するだけでなく、それを深く理解し、新たな視点から考えることを強調する。 ・自分の思考…
人間が求めているものはそう多くありません。どうしても満たしたい欲求は八つあります。すなわち、食欲、性欲、睡眠欲という三大欲求のほかに、金銭欲、健康欲、来世の幸せ、子供の幸せ、自尊心です。この中で特に満たされにくいのが、自尊心です。つまり、自分を重要な人間として扱ってほしいという願望です。 自尊心の重要性 エイブラハム・リンカーンは「すべての人は褒められるのが大好きだ」と述べ、心理学者のウィリアム・ジェームズは「人間の本質の中で最大の特徴は、重要な人間として認められたいと熱望していることだ」と言いました。この言葉の中で「願っている」ではなく「熱望している」という強い表現が使われていることに注目し…
【雑談篇Vol.02】冒頭20分無料放送|「結界」に守られた聖なる時空を旅して、つまらないこの社会を生きよ!(社会学講義2024春を終えました・原生自然と人シリーズ始まります・アジールがアジールがなくなった街) www.youtube.com7月8日(月)15時から配信した「雑談篇vol.02」のアーカイブです。 ※冒頭20分のみ放送! 続きはこちらでご購入をお願いします。 https://shop.erhemos.org/products/koy... 雑談篇では、普段の取り組みに関する雑談を配信します。 チャンネル登録をぜひ! 「結界」に守られた聖なる時空を旅して、つまらないこの社会…
7月27日土曜日に大妻女子大学で、「美と行為」をテーマにした公開ワークショップに登壇します。 6月はじめの勉強会で、「美的行為論の論文を書いている」と森さんにお話したところ、5人も登壇者が集まり、難波さんにおしゃれポスターを用意していただき、あれよあれよと大規模なワークショップに発展しました。ありがとうございます、とても楽しみです。 自分は「美しくする、美しくやる:なにが行為を美的行為にするのか」と題して話す予定です。要旨はこんな感じ。(他の方の要旨は上の森さんのブログにあります。) なにが行為一般から美的行為を線引きするのか。本発表は、美的なものと形式の概念を結びつける古典的見解に基づき、美…
公開ワークショップをやります。 どなたでもご参加頂けます。 公開ワークショップ「美と行為」日時:2024年7月27日(土)13:00-場所:大妻女子大学 千代田キャンパス A棟 A450A464教室 ※教室が変更になりましたhttps://www.otsuma.ac.jp/about/basic/access/chiyodacampus/開催方式:対面形式(事前登録不要・参加無料) 主催・お問い合わせ先:森功次(大妻女子大学) プログラム 青田麻未 群馬県立女子大学 文学部美学美術史学科講師「行為の美学としての日常美学:習慣をめぐって」https://researchmap.jp/mamiao…
2401 H・コリンズ『専門知を再考する』(名古屋大学出版会、2020) 2402 ジョン・デューイ『経験と教育』(講談社学術文庫、2004) 2403 アン・ボイヤー 『アンダイングー病を生きる女たちと生きのびられなかった女たちに捧ぐ抵抗の詩学ー』(里山社、2023) 2404 ジョン・デューイ『民主主義と教育』(上)(岩波文庫、1975)2406 ジョン・デューイ『民主主義と教育』(下)(岩波文庫、1975) 2405 『ANCA関連血管炎診療ガイドライン2023』(診断と治療社、2023) 2407 町田康『くっすん大黒』(文春文庫、2002) 2408 村井俊哉『精神疾患の実在と虚構』…
アメリカの哲学は、その多様性と独自性で知られています。アメリカ哲学は、独立戦争以降、独自の進化を遂げ、現在に至るまで多くの重要な思想家と哲学的運動を生み出しました。以下では、アメリカ哲学の主要な特徴とその歴史的背景、そして代表的な哲学者について紹介します。 #### 歴史的背景 アメリカ哲学の発展は、18世紀末から19世紀初頭にかけての啓蒙主義と独立戦争の影響を強く受けています。独立戦争はアメリカ人に新しい政治的および社会的な自意識をもたらし、それが哲学的な探求にも影響を与えました。トーマス・ジェファーソンやベンジャミン・フランクリンといった独立戦争時代の指導者たちは、啓蒙主義の思想を取り入れ…
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334103538 日常美学とは??? パッと説明できる本ではない 美学者である青田麻未氏による「日常美学」という聞き慣れない家を中心とした生活に焦点を当てた美学を展開する本。 教科書や入門書などではなく、佐々木健一『美学への招待』や以前、私が紹介した井奥陽子 『近代美学入門』などのように収まりの良い本ではない。 zunnda.hatenablog.com 2000年代にはいってから盛んに議論されるようになった日常美学は、 2005年に初の論文集が刊行され、 2007年にはユリコ・サイトウやカチャ・マンド…
はてなブログ用の前書き (必読) はじめに 概要 背景 ライトノベルが未だ未定義な3つの理由 1.先行研究の少なさと、そこに見る未定義の許容 2.SFもまた未定義である 3.越境するライトノベル アプローチ 先行研究 東浩紀が与えた「消費」の概念 「動物化」とは何か 「データベース消費」が示すサブカルチャーの変遷 「シミュラークル」により坩堝と化すサブカルチャー 『デ・ジ・キャラット』に見る「萌え要素」の消費 児童文学とライトノベル ライトノベルの起源はどこまで遡れるのか? ライトノベルの「現実逃避」に至る物的証拠 子供の人権意識から見る、ヤングアダルトの産声と背景 子供の「解放」としての児童…