「また今朝も寝坊してしまった...」 Aさんは、いつもこんな風に自分を責めていました。「早寝早起きは三文の徳」という言葉が頭をよぎるたびに、罪悪感に襲われてしまいます。 なぜ私たちは、「早起き」を無条件に「良いこと」だと信じているのでしょうか。そして、この「当たり前」は、本当に疑う余地のない真理なのでしょうか。 こんな疑問を徹底的に考え抜いた人がいます。20世紀フランスの哲学者ミシェル・フーコーです。そして、フーコーの考え方に影響を受けて生まれた心理療法があります。「ナラティブ・セラピー」です。 フーコーは、私たちが「真理」や「正しいこと」だと信じていることの多くが、実は特定の時代や社会によっ…