当方の敷地は別荘地内の一区画で、1,000㎡を超える面積がある。 と言っても、傾斜地のため、平坦な部分は家の建っている部分とその周り、および玄関前の八畳ほどの「庭」だけだ。 10年ほど前だったろうか、その庭に小さな木が生えた。 当時はそこで毎年大々的に薪作りを行っており、玉材を斧で割った際、木片が飛んで幾度となくそれを傷つけたにもかかわらず、枯れることなく次第に伸びていった。 幹と枝、特に枝に鋭い棘があるため、少々厄介な存在ではあったのだが、こんな痩せた寒い土地で生きている姿にどことなく不憫を感じ、取り敢えずしばらくの間は――と、敢えて刈ることなくそのままにしてきた。 それが今では、幹の太さこ…