梅雨が明けた。 朝から蝉が鳴いている。ゴミ袋を両手に提げて、裏口から外に出た。 ゴミの集積所は表通りに面しているので、裏口からブロック塀に沿った細い通路を抜けて、ぐるっと回って表に出る。毎週のことだ。 塀際の通路は、家の陰になる昼過ぎだけ日が翳る。地面はいつも湿っている。じめっとした空気の中に、通るたびに気になっている草があった。 赤い穂。 腰より高い草が何本も、塀際にまっすぐ立っている。赤銅色の穂が空を向いて揺れている。その隣には、色の違う穂——こちらは茶色い。足元にはスギナが地面を覆っている。 何度か手を伸ばしかけて、やめた。よく分からないまま抜いてしまうのが、なんとなく惜しかった。通るた…