ツツジ科の植物のヒース(スコットランドではヘザーとも呼ばれる)やシダ類など、寒冷地に生える植物が堆積してできた泥炭のこと。泥というよりは、むしろ草の繊維が土化してもの。スコットランドではほぼ無尽蔵にある。
ピートとは石炭の極端に若いものと解釈すればよい。
冷涼な気候と湿地などの条件が揃わないとできないとされるピートは、千年に15cmしか堆積しない。
スコットランドの中でもアイラ島はピートの宝庫で、全島の1/4がピート湿原で覆われ、平均で3〜4m、厚いところで14mもピートが蓄積していると言う。
モルト・ウイスキーは麦芽の乾燥時に、ピートを焚くことによって麦芽に燻煙香を吹き込み、特有の香り(スモーキー.フレーバー)をつける。ピートの量や焚く時間によって微妙な味の違いが生じ、これがシングルモルトの個性を決める要因のひとつである。
世界の有名産地のウイスキーのなかで、麦芽の乾燥時にピートを使用している代表的な物はスコッチ・ウイスキーとジャパニーズ・ウイスキー。
(写真はスコットランドに広がる一面のヒース)