今日の帰り道、前を歩く人の足取りもどこかゆっくりになる夕方だったと思う。ランドセルを背負った子どもたちが、あちこちで家路につく時間帯だ。そんな中、少し後ろから小学生くらいの男の子が二人、並んで歩いてくる気配がした。靴を擦る音が軽くて、いかにも学校帰りという感じだ。 特別大きな声ではない。でも、子ども特有の、抑えきれない楽しさが混じった声が聞こえてきた。 「お前もシチューを食べないか?」 思わず、心の中で「ん?」と反応してしまった。振り返らなくても、遊んでいるのがすぐに分かる、あの独特のテンションだ。すると、間を置かずにもう一人が、少し低い声で言い返す。 「お前もビーフシチューを食べないか?」 …