フィデリオが何故、他人に教えられるくらいに内気功を身につけているのか。その理由と、それがオトフリートの反乱に繋がっていく話は、トゥナとルーカスに衝撃を与えた。 反乱の下地は二十年以上前から作られていた。その事実にトゥナもルーカスも、二人だけでなくアルカナ傭兵団全体がまったく気付いていなかったのだ。防げた反乱だった。後悔の思いが二人を苦しめる。 それと同時にギルベアトとシュバルツの関りに、特別な運命を感じることにもなった。反乱の旗印はオトフリートではなく、シュバルツであったかもしれなかった。だがそうはならなかった。ギルベアトの心情は、フィデリオの話を聞いただけでは分からない。熱心な教会信者であり…