ゲルメニア族の居住地を出て、山を下りたレグルスは、モルクインゴンの街に寄ることなく真っすぐに現地に向かった。出来るだけ作戦決行までに準備する時間が欲しいというのが一番の理由。もう一つの理由は同行者がいるからだ。諜報部長ではない。ゲルメニア族の男たちだ。 族長は諜報部長の求めに応じることを決めたが、難色を示す者もいた。それを族長権限で押し切るのではなく、同行者を付けて、必ず戻ってくるようにさせる、という妥協案を選んだのだ。レグルスにとっては妥協でもなんでもない。勝手に決めるなというところだったが。 さらに連絡をつけたエモンたちも後を追ってきた。レグルスが認識していなかったスカルとココも一緒だ。そ…