喘息治療のうち急性期では、ステロイド剤、気管支拡張剤や抗アレルギー剤による治療が優先となります。漢方療法では、喘息軽中症例や慢性期での維持療法で十分代替可能な選択肢となります。急性期や発作期での漢方治療では、麻黄を含有する製剤として麻黄湯、小青竜湯、麻杏甘石湯や神秘湯などが考慮されます。一方高齢者では、器質的疾患をもつ方が多く、麻黄製剤の適応とはならず、竹茹温胆湯、麦門冬湯や清肺湯など非麻黄製剤が選ばれます。麻黄製剤が合わない方は、体質的に弱い虚証の例が多く、苓甘姜味辛夏仁湯や柴胡桂枝乾姜湯等が考慮されます。方剤の選択では、痰の有無や性状、また発汗の有無も選択基準の一つとなります。いずれも、患…