78年前の夏―。世界には2つの重い現実があった。 1つは、戦争であまりにおびただしい命が失われたこと。悲惨な現実を受け、武力行使禁止を原則とする国連憲章、戦争放棄を記した日本国憲法が生まれた。 もう1つは、米国による広島、長崎への原爆投下だ。覇権を争う旧ソ連との間で核開発を競う戦後の構図がこの時、固まった。(信濃毎日新聞「戦争の正体を見極めねば 抑止論高まる日本」) 先ず、78年の夏、すなわち、1945年の夏、戦争で夥(おびただ)しい命が失われたのではない。大東亜・太平洋戦争が終わったのである。命が失われたのは、1941年以降の長期にわたる戦闘においてである。 <悲惨な現実を受け、武力行使禁止…