詩の一形式。短いフレーズで、韻を踏む形式は「韻文詩」(verse)と呼ばれるが、一見通常の文章のように見えるのが「散文詩」(prose)である。 ここで注意したいのは、韻を踏んでいても詩とは呼べない文章もあるし、散文で書かれたテクストが詩そのもの、という場合もあることである。「詩」に心があるのなら、それを持ったテクストは詩と呼べるだろう。 有名な散文詩の作品では、フランスのボードレールの「パリの憂鬱」がある。けだし、梶井基次郎の一連の小説は散文詩と呼んで差し支えない。
エッセイ Blue 33 自分のためだけの風景というものがある。あるいは、自分のためだけの風景だと思える風景がある。そんな景色に出会うと、すぐにそれとわかる。一年に数えるほどしかない。2、3回もあればいいほうだろう。友人といっしょのときにそんな風景とめぐり逢うと、僕はできるだけ早いうちに、その場所へ戻ることにしている。今度は一人きりで。予定はなにも入れない。真っさらなスケッチブックのような一日のなかで、特別な景色と向かい合う。単独にならないと、五感や六感を全開にすることはできない。風景のほうも、自らを開け放ってはくれない。本当に「見る」ことをしないと、それは訪れない。本当に「聴く」ことをしない…
おはようございます。 「Conditions of Love」が配信されて一週間が経ち 詞、曲、歌声、そしてアレンジ面 色んな角度からの感想をいただいてます。 ありがとうございます。 引き続きよろしくお願いします。 linkco.re 最近 やろうと思っていることがいくつかあって 頭の中だけでは整理することができていないと感じたため 今日リストアップしてみることにしました。 そこから今実現可能なものを実行していこうと思います。 その一つにあるのが 「散文詩」です。 先日ここのブログの過去記事にある散文詩を 久々に読んでました。 自分の書いた作品ではありますが やっぱ忘れてますね。 いいなと思う…
空間的な音楽が侵入する夕暮れの室 レコード・プレイヤーが落下する速度が必要だから父親を殺すのは愉しい たぶん連結部の毀れた市電がまぶしい採光のなかで乗客たちを愛撫するのに疲れてしまったから おれはとても淋しい 破壊された偶像とベーコンエッグサンドで経典を誂えようとする一群が天守閣のなかで踊りながら没落する テレビジョンの科白たち、あるいは頭のない鶏たちが奏でる天体の音楽 そしてだれよりも末永くおつき合いしたいという女の声ととも司会者のない空間が、空間らしい音楽のなかでゆっくり融けてしまうまでを炭酸に充たされながら待ってる。
地鳴りが聞こえるのだがネット検索しても該当せず、仕方なしに嫌々ながらツイッターを見るがそれを都内でツイートしている人の数は今この瞬間約二名のみ…。地震に於いても震度1は報道しない、何故なら起こったかどうか感知する人間自体が少なすぎるからだ。というような感じで地鳴りがあろうがなかろうが私を入れて大都市で約三名しか気づいていない現象は果たしてそれが存在したと言えるのかも甚だ曖昧である。よって小数点以下切り捨て同様地鳴りは無かったとすべきである、等と結論づけるにはいささか性急過ぎる気がするので自衛隊演習があるのかどうかを調べる。もとい自衛隊HPにアクセス、こんな朝っぱらから自衛隊は我が国の最大防衛組…
助手席専用の不適合者 左から世界が流れていく 身分書なんて持ってない フレンチクルーラーがご馳走だった 光を浴びろと人は言うけど 朝は寝てるから夜しか知らない 前を向けって人は言うけど 朝は寝てるから夜しか知らない 理想に火をつけて煙を吐き アキレス腱を伸ばして歩く くすぶってるのは社会のせい 「どうでもいい」で今日が溶けてく アルコールに浸かれば壁はバラ色 錠剤と混ぜれば輝く虹色 揺れる景色に手を振って 布団の底に沈んで消える 光を浴びろと人は言うけど 朝は寝てるから夜しか知らない 前を向けって人は言うけど 朝は寝てるから夜しか知らない そんな暮らしを続けていると 誰かが未来を決めつけてくる…
* 猫は哲学だ レモンパイはそうじゃない 軽度の融解によって皮膚が街に変わったせいで、教育を知らない第一級河川が氾濫するのは死原語の触媒だからだ 蒸発したあらゆる前歴が 藤原定家とおまんこする 気持ちいいってだれの科白? 文字が反転するカフェで呑むコーヒーみたいな朝が、 * 廃屋には花が咲いてる 熾きを失った虚空からの信号があるとき途絶えてしまったからか 花の色はない 輪郭だけが存在するという寓意 たまさかの、さかまきの標 おもったよりも滑りやすい道でブードゥー教の教えを反芻する牛が突然に現れて自動車ごと世界を驟雨してった * 天井に認識された性表現が詩学とのラグビーで点をとられている真昼は、…
あかいやねの上を あおいそらが覆っている そのあおいそらの上を くろいうちゅうが包んでいる 僕が今掴んだ空間は、 そのい全てだから。 青い空を見上げた僕は 小さな宇宙なんだ。
滴が落ちるような刹那の中で君と出会った。 笑いながらボートを漕いだ。朝もやで前が見えない。でも平気だった。 そしていつか、次はないかもしれない恐怖を抱いた。 朝もやはいつしか霧となり、藤の花が咲き始める。 恐怖は幾度となく繰り返して雨となり、咲いたばかりの花を散らした。 今、僕はその花びらを必死に拾い集めている。 重力に気を付けながら。 光を絶やさぬように。 ここのところ、君を見つめる度にそんな気持ちになる。 一体全体、どうして僕は君を愛しているのだろう。 こんなにも。きっと、愛してる。
人待ち顔とも諦め顔ともつかない顔空模様の下で。 重たい荷物を背負った人々が 漂う。 揺られる。 僕はふとした時に空を飛んで 待ちきれなくなって空が撃ち出した弾丸に翼を貫かれる。 そんないつか 薄れゆく意識の中で 僕は、自分を取り戻した。
空 轟音を鳴らして 飛行機が飛んでいる 海 汽笛で空気を鳴らしながら 船が泳いで 魚も鈍色に跳ねる 陸 私たちが見えて 虫まで鳴いている 鳴ってないのは私たち? いや 私たちだって音を鳴らしてみたくなる 水平に 円く高く この空に波を落としたがっている 静けさに媚びてる訳じゃない 人はただ 感じられたら 訪れてくれる人がいて 互いに肩を抱いて 分かれば それでいい
食った後すぐに、気持ちも温かいうちに 新鮮な空気をパックに詰めて 届けたい、この想い とか言ってた俺、いつの間にかいなくなってた。 毎日毎日投稿して、なんなら週6で投稿しても「まあちょっとずつ消化してますね」みたいなペースで。溜まりに溜まったものが少しずつ減っていく、というのはいいことなんだろうが、せっかちな俺にとっては辛抱堪らんものがあった。 はずだった。ほんと、そのはずだった。 どう考えても「ストックとか余剰なんて無い方がいい。プレッシャー、感じない生き方がいい」とか言っておけばまあ自分のサガというものをただただ肯定できるし、なんなら俺はあの頃の、食後に湧き上がるパッションと狂気(自己申告…
文庫本を洋梨に持ち替えて。
じぶんの ための めも です。 どくしょ めも。 ばでぃうの すいいてき・そんざいろん(『推移的存在論』、こんどう・かずのり、まつい・ひさし やく、せいれき 2018ねん、水声社(すいせいしゃ))を よむ ときの めも です。 http://www.suiseisha.net/blog/?p=9985 推移的存在論 アラン・バディウ(著) 近藤和敬+松井久(訳)判型:四六判上製 頁数:251頁 定価:3000円+税 ISBN:978-4-8010-0384-2 C0010 装幀:宗利淳一 12月14日頃発売! 存在論とは数学である。 「神は死んだ」――もはや宗教の神に出会うのでもなく、形而上学…
目次 第一巻 第二巻 第三巻 第四巻 第五巻 第六巻 第七巻 第八巻 第九巻 第十巻 10-1(質素と勤勉への誓い) 10-2(自己対話、言葉) 10-3(神とは私たちの想いなのだ) 10-4(神、唯物論、言霊、畏怖) 10-5(考えることで現実から逃げている) 10-6(ビミョーなねむさ) 10-7(13連の散文詩 ルール──オーダー/秩序/神──) 10-8(複雑なフレーズもまた陳腐) 10-9(人の心は複雑怪奇かつ単純明快) 10-10(巨大なザトウクジラの夢) 10-11(炎が私たちの文明を焼き尽くす) 10-12(シャボン玉、色) 10-13(エディプス) 10-14(なぜ涙が溢れる…
昨日はようやく早めに眠れたのだけれど、12時間も眠ってしまった。 過眠は医師はまともに取り合ってくれないので、まあ致し方ないかと思う。 主人は今日もリモートワークで、私も家事に励まねばとようやく思えた。 昼頃に起きてコーヒーを淹れて、主人といただいた。 それから家事をいくつか片づけた。 ここのところほとんど家事ができていなかったこともあってだいぶ溜まっているものもあったけれど、少しでも解消できてほっとしている。 明日もがんばらねば。 家事のモチベーションを上げるためにも暮らしの本を読みたい。 ここ二年ほどブログをチェックしている美濃羽まゆみさんの新刊も気になっている。 「めんどう」を楽しむ 衣…
Jean Lorrain『Venise』(La Bibliothèque 1997年) 今回は、90ページほどの薄っぺらい本ですが、やたらとイタリア語やヴェニスの建物の固有名詞が出てくるので読みにくい。1905年に「絵入り雑誌」に寄稿したヴェニスについてのエッセイと、1898年から1904年にかけて、母親や友人宛てにヴェニスから送った手紙が11通収録されています。いずれもヴェニスを褒めたたえた文章が連なっています。 ヴェニスの風光の美しさ、とくに黄昏の景観、そのなかを滑りゆくゴンドラ、歴史の積み重なった都市の栄光とその悲哀、運河と小路でピラネージの迷路のように入り組んだ町並み、教会や宮殿の建物…
『私』とは、肉体(物質)、心(精神)、魂(霊)の三位一体の存在のように言われることがありますが、実は、「肉体」という物質も「心」という精神作用も、「魂」という霊的な存在からの力がなければ、その働きを全うすることはできず、私たちが人間が、「自分」だと言ったり、思ったりしているのは、この「肉体」と「心」であり、「魂」という言葉は知っているけれども、「魂」とは一体どういうモノなのか?を知らないために、自分自身が、「魂」そのものであると考えたことはなく、ましてや、「魂」だけが実在で、「肉体」や「心」は、「魂」の力に依存している幻のような存在であるとは、思えないことでしょう。(このことは、既に前回までの…
先日、とあるニュースについてツイートしました。 0点じゃなくて、減点にすればいいのに。 https://t.co/0iGPbC4bbU— tada@お元気ですか?ワタシは元気です。 (@shidoiblog) 2021年4月5日 お子さんをお持ちのご家庭ですと、このニュースの中身については『あるある』だと思います。 漢字の書き取りの際、「とめ、はね、はらい」が出来ていないと漢字ドリルはやり直し、テストは0点とされてしまうのは厳しい?厳しくない?という話題。 実際、ワタシの子供の宿題を見ていると、「とめ、はね、はらい」を指摘されてることがしばしばあります。 思い返すと、ワタシが小学生1年生の時は…
●「GレコⅢ」の公開日が決まって嬉しい。楽しみ。「閃光のハサウェイ」が5月。「GレコⅢ」が7月と続きますね。富野ファンとしてはGレコⅢは待ちに待ったという感じです。 ●今日は腰が痛くて(歩けないほどではない)歳を感じたのであった…。 ●19日から仕事が忙しくなるので今のうちにできる雑務を済ましておく。といっても大したことではないけど…。 ●最近、詩人の高柳誠が気になってる。集成ⅠとⅡを買った。Ⅲも欲しい。幻想的散文詩。自分が求める文体と詩性がある。もっと読んでいきたい。
佐野元春が吉増剛造の詩に出会ったのは、高校時代だった。吉増の初期の代表作「黄金詩編」(1970)である。その難解な表現に頭を抱えたらしい。 「これを読んだ時、表現は非常に複雑、前衛的なのでどんな意味がここに含まれているのか(考える)ということを僕は諦めて、言葉の韻律に焦点を絞って心の中で読むのではなく、語ってみたんですよね。そうすると驚くことに、非常に音楽的だという発見があったんです。何とか何とかという節があってその節が後半にいくにしたがってビルドアップして大きなダイナミズムを生んでいく。それを心の中で朗読することによって(楽しみが)得られた。一つの詩を読む楽しみにつながっていきましたね」 「…
この記事を書いてしばらく経って、改めてTwitterに戻りたいかと自問したところ、「やっぱりブログの方が私には合っているな」と感じたので、その要因について掘り下げてみたい。 evie-11.hatenablog.com 一日中文章を書ける 他者の言動に一喜一憂しなくて済む 収益化を図れる 一日中文章を書ける これが第一で、私はただひたすら一日中文章を書いていたい人間なので、Twitterで無駄にツイート数を消化するよりも、ブログというフォーマットでひとつの記事を仕上げることの方がよほど喜びを感じる。 いくら書いても飽きないので、おそらくハイパーグラフィアのような性質があるのだと思う。 giga…
数年前に公開して以来、ぼちぼちと更新を続けていた「季節の海外文学」リスト。どれも最初に公開したときは大体15〜20冊程度だったので、「いつかそれぞれ25冊まで増やして、全部で100冊になるといいな〜」と考えていたのだが、けっこうあっという間に100冊集まってしまった。ので、改めてまとめの記事を投稿します。 わたしは夏生まれだからか、そもそも「夏に読みたい小説」特集を見るのが大好き。日本文学だと怪談とか夏休みの物語とか、はたまた読書感想文のアイデア・ヒントとして、いくつもそういう特集がありますよね。海外文学でも、「夏」を感じさせる題名や装丁の作品はついつい購入してしまうので、それをブログ記事にし…
A「僕はね、毎月会報誌で散文詩を書いているんですよ。でね、子供の頃に一番僕の 心象風景の中に残っているのは蓮華畑なんですね。 今の子供たちって蓮華畑って分かるかなぁ? ジ「私は吸いました」 A「あ、そうですよね。吸いました僕も。そこへ行くと、感覚が空いて咲いてるから、そんな畑って呼べるようなものじゃないんですけど、子供の視線から、斜め上から景色を見ると蓮華が咲き乱れているっていうね。 一番印象に出てくるのは最初は蓮華なんですね。 それから花が咲くって言う事の生命力とか、ある意味人間よりしっかりしてるじゃないですか?時期が来ると必ず咲いてみせるんだぞっていうね。 人間って一年でタームを区切ってま…
毎日誰に向けるともなくこの別アカウントに日記を書いている。 aniron.hatenablog.com ここのところずっと鬱々とした内容に終始しているのだけれど、どうしても書くことから逃れられない。 どんなに疲れていても、どんなに精神的に参っていても、どんな時間帯であっても、暇さえあれば文章を書かずにはいられない。 おかげさまで毎日スターをつけてくださる方もいらっしゃって、大変励みになっている。その方々のおかげで日々書きつづけられていると云ってもいい。 またTwitterを半ばやめて、格段にブログ記事を書く頻度が増えた。 BANANA FISH感想本を出そうと思い立ったのも、毎日日記に感想を織…