乗客は割とまばらな夜の電車の車内。 私は大抵ドア前のコーナーに立つのですが、その反対側のドアの前には丸めた新聞を片手に立ったまま寝ているメガネのオジサンがいました。 紺色っぽいジャンバーを軽く羽織った出で立ちで、身体はそれほど大きくはない普通のオジサン。 片方の手でつり革を捕み、上半身をグラグラさせて意識が遠のくと膝をカクッと落とし、その反動で一瞬目覚めてはまたきちんと立とうとしています。 よほどお疲れの様子… 立とうとするも、また数秒で意識は落ち「一人膝カックン」してはまたハッと気づいて起きる… この繰り返しをしている内に、酷い時は1~2歩バタバタッとコケそうになるのをわずかに残った自意識で…