「恥の多い生涯を送って来ました」。 この有名すぎる書き出しの小説を、私は一度も読んだことがなかった。Xで太宰治の小説がおもしろい、というポストを見かけて、今年の夏は名作と呼ばれる小説を読んでみよう!と、軽い気持ちで手に取った。最初の数ページでぞわっという違和感を感じて、なんて魔力のある本なのだろうと思い、覚悟を持って読み切った。そして今はラストに鳥肌が立っている。 人間失格 (角川文庫) 作者:太宰 治 KADOKAWA Amazon 『人間失格』/太宰治 あらすじ|「恥の多い生涯」から始まる葉蔵の物語 主人公の葉蔵は、幼い頃から人間に恐怖を抱き、人間の生活や人が感じる幸せをさっぱり理解できな…