あれ、どこへ行ったのだろう。とても面白そうな話の筋書きが浮かんだのだけれど。 電車の中、うたた寝の最中だった。これなら話が作れそうだと思った。しかし、どうしても思い出せない。不思議なものだ。 一年ほど、屋外に立って人々の動きを見守る仕事をしていた。そこは森の中の工場で、観光客の出入りが多かった。そこで作る商品は水であり、あるお酒であり、その製造過程を一般のお客様に開放していた。食品工場である以上、場内での飲食や人の動きを注視・制限する必要があった。 僕は来場者、特に外国人が来ると積極的に話しかけた。この工場見学を少しでも楽しいものにし、良い思い出を持って帰ってほしいから。 日々、多くの人が来る…