憂鎖蛇杜うさだとの奥深く。 風、水、土、光が形作った空に伸びゆく木々 静かな見張り役のようにそびえ立っている。 ティックトック ティックトック 時計の針の音は遠い遠い響きに過ぎない。 秒を刻むことはなく、スケジュールが憂鎖蛇杜の動きに指示を出すこともない。 この領域では、時計に生活が支配されることはない。 巨大深淵森の物語。 くるくる繰り返し代々囁かれてきた精霊達の生きるサイクルが森の流れる経 過を教えてくれる。 時間という概念のない場所。 森の子として生きる孤狐舞蘭 この永遠とわなる流れの領域に没頭し、木々のざわめきの聞き上手、星の輝きの話し相手となった。 未来に心を配ることや過去に後ずさり…