こんにちは。きのひです。 「腕試しの辻」 鈴木 英治 著 を読みました。 2010年3月14日 第1刷発行 町方同心である樺山富士太郎(かばやまふじたろう)は中間の珠吉(たまきち)と見廻りをしています。 そのうちつい富士太郎は想い人の面影を心に浮かべてしまった。 「さあ、旦那、行きますよ」 珠吉の声に富士太郎はうつつに引き戻されました。 「まったく、もうちょっと放っておいてくれてもよさそうなものじゃないか。珠吉は気が利かないねえ」 珠吉がぺこりと謝る。「すみません、でくの坊で」 それをきいて、富士太郎は首を大きくひねりました。 「でくの坊って元はなんなんだい」 「語源のことですかい」 「ああ、…